マカオ、コロナ禍の3年間で旅行会社の2割が姿消す…従業員数は半減

 マカオはアジア有数の国際観光都市として知られるが、2020年から2022年の期間、新型コロナの影響によってインバウンド依存度の高いマカオのツーリズム関連業界が大打撃を受けた。

 マカオの昨年(2022年)通期のインバウンド旅客数は前年から26.0%減の570万0339人で、新型コロナの影響が生じて以降の最少に。コロナ前2019年は約4000万人だった。

 マカオ政府統計調査局は9月22日、昨年のマカオの旅行会社に関する調査結果を公表。

 昨年時点で営業中の旅行会社数は前年から8社減の176社、従業員数は588人減の2204人。業界全体の総収入は19.8%減の16.0億パタカ(日本円換算:約295億円)、総支出は20.3%減の16.9億パタカ(約311億円)。旅行会社数と従業員数は新型コロナの影響が生じて以降、減少が続いており、コロナ前2019年との比較で前者が42社減(19.3%減)、後者が2470人減(52.8%減)となった。

 旅客と地元市民の旅行社を通じた交通・宿泊サービス購入の需要が減少したことで、昨年の旅行会社のホテル客室予約サービス収入は17.1%減の5.5億パタカ(約101億円)、客運チケット収入は40.1%減の2.3億パタカ(約42億円)に。運転手付きの車両チャーターサービス収入についても11.3%減の4.4億パタカ(約81億円)となったが、団体ツアー収入は2.5%増の1.9億パタカ(約35億円)となった。

 支出については、購買、サービス、コミッションが20.8%減の10.0億パタカ(約184億円)。内訳は、ホテル客室サービス支払いが13.6%減の5.5億パタカ(約101億円)、客運チケット費用が44.7%減の2.2億パタカ(約41億円)、団体ツアーが18.2%増の1.8億パタカ(約33億円)。従業員支出は9.8%減の3.8億パタカ(約70億円)。営業費用は29.3%減の3.1億パタカ(約57億円)。

 昨年は業界全体として年間9077万パタカ(約16.7億円)の赤字となったが、赤字幅は前年の1.3億パタカ(約24億円)から縮小した。業界の経済貢献を示す付加価値総額は1.7%減の2.9億パタカ(約53億円)に。このほか、業界の固定資本形成総額は88.9%減の516万パタカ(約9500万円)だった。

 規模別にみると、従業員数10人以下の旅行会社が124社、10〜29人が50社、30〜49人が5社で、この3つの規模の旅行者の収入の内訳はホテル予約サービスとなっており、それぞれ収入全体に占める割合は41.7%、55.1%、46.3%。50人以上は6社で、収入の63.9%が運転手付きの車両チャーターサービスによるものだった。

 なお、マカオでは今年1月8日に完全ゼロコロナ政策に移行し、水際措置が大幅緩和となったことを受け、以降はインバウンド旅客数が急回復し、直近まで勢いを維持している状況。

マカオの著名観光スポットのひとつ、世界遺産・セナド広場周辺の様子(資料)=2022年7月27日本紙撮影

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