マカオ司法警察局は9月28日、危機交渉チームと捜査部門の間のコミュニケーション、連携、応急対処力向上による危機交渉任務の実効性を高めることを目的とした演習を同日午前に実施したと発表。

　今回の演習は政府部門を騙った振り込め詐欺事件をきっかけに、現金の受け渡し現場に現れた犯人が包囲されていることに気づいてビル屋上の端に逃げ込み、刃物を手に反抗するという危機事件が発生したとするシナリオで、同局の交渉人と捜査員35人が参加。交渉人が捜査員からの状況説明を受けて交渉戦略を練り、説得を繰り返す訓練など、約5時間にわたって進められたとのこと。

　同局では、演習の過程は順調で、事前に想定した成果を挙げて無事終了したとした。同局は毎年恒例で危機交渉演習を実施しており、いざ危機事件が起きた際、速やかに応対し、平和的に事件を解決することで、人的・物的損失を最小限にとどめる準備を整えているとした。

　マカオで実際に交渉人が出動した例として、2019年5月にカジノ施設内でギャンブルをめぐるトラブルから自傷行為に及んだ旅客を説得したケースなどがある。