マカオで今年9人目のツツガムシ病感染例確認…患者にモンハの丘での活動歴

 マカオ政府衛生局(SSM)は10月5日夜、マカオで感染症のツツガムシ(恙虫)病とみられる患者が新たに1人報告されたと発表。

 患者はリタイア生活を送るマカオ人の男性(71)で、9月27日に発熱の症状が現れ、10月1日には右胸に痒みを感じるようになり、その後も高熱が続いたため4日に私立総合病院・鏡湖醫院の救急外来を受診するに至り、即入院となった。同院での検査で、右胸外側に豆粒大のかさぶたが見つかり、症状などからツツガムシ病と臨床診断されたとのこと。患者は治療を経て熱も下がり、無事に退院したという。

 患者はSSMの聞き取り調査に対し、普段からマカオ半島北部にある望廈山(モンハの丘)で活動しており、草むらの中を歩く機会があり、最後に出かけたのは9月26日だったと回答。また、潜伏期間中の外遊歴については、広東省中山市を訪れたが、当地で郊外型公園に出かけたことはなく、同住者及び同僚に類似の症状は出ていないとのこと。

 マカオでツツガムシ病の感染者が確認されるのは今年9人目。すべて5月中旬以降の事案で、輸入例はわずか1件にとどまる。本来、マカオで輸入性ではないツツガムシ病の感染例が見つかるのは極めて稀なケースであるものの、昨年から今年にかけては域内での感染例が主となっている。

 輸入性ではない感染例について、昨年はマカオ半島北部と中部にある公園での感染例が目立ったが、今年は今回のケースが初めて。今年確認された感染者8人中7人は業務、アクティビティ等でコロアン島の山や公園などの緑地を訪れ、草むらの中で活動していたという共通点がある。SSMでは、公園の草むらや郊外で野外活動を行う際に適切な予防対策を講じるよう呼びかけている。

マカオの大型総合病院として知られる鏡湖醫院(資料)=本紙撮影

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