マカオ税関、6日間で密輸事案83件摘発…越境自家用車使ったケースも
- 2023/10/30 10:28
- 社会・政治
澳門海關(マカオ税関)は10月29日、各イミグレーション施設における税関検査を強化するとともに、広東省側との情報共有やITを補助法執行手段として活用するなど厳格な体制で臨んだ結果、同月23日から28日までの6日間で密輸事案(密輸入及び密輸出)計83件摘発したと発表。
発見に至った密輸品の内訳は紙巻きたばこ8287本、コスメティック製品431点、薬品1万1200粒及び39点、中国白酒17.5リットル、中古スマートフォン103台、電子たばこ用スティック200本、ヘルス用品194点、食材337キログラムとのこと。
越境自家用車による密輸事案は3件。23日に横琴イミグレーションと27日に關閘イミグレーションの自動車用税関検査レーンにおいて、税関のリスク管理システムによる警戒アラートの対象となった越境自家用車各1台に対し、大型X線貨物・車両検査システム及び上方照射式車両検査システムを組み合わせた検査を実施し、それぞれ車内からフルーツ(235キログラム)及び上海蟹(9キログラム)の発見に至った。また、24日には港珠澳大橋マカオ側イミグレーションの自動車用税関検査レーンで、広東省の珠海税関からの情報提供により調査対象とした越境自家用車から中国白酒(茅台酒)34本を発見。
上記の越境自家用車による密輸事案のうち1件が密輸出、2件が密輸入で、いずれの運転者も当該物品の輸出入に必要となる書類を提示できなかったという。
83件の密輸事案に関与した83人は22〜74歳のマカオ居民、香港居民、中国本土居民で、税関では全員を対外貿易法違反=最大10万パタカ(約186万円)の罰金=で起訴するとともに、発見に至った物品を押収済みとした。
年初のウィズコロナ転換による水際措置の緩和を受けて、マカオと中国本土、香港との相互往来が容易になって以降、運び屋が絡む密輸入、密輸出事案が摘発されるケースが増えており、密輸品の種別では中古スマートフォン、中古バッテリー、冷凍肉、乾物、コスメ・スキンケア用品などが目立つ。近年、マカオ登録の自家用車が比較的簡単な手続きで広東省に乗り入れ可能となる政策が導入されたことを受け、マカオと中国本土との間の自家用車での往来も増えている。
税関では、今後も継続して水際における警戒を強化して臨むとした上、市民に対して出入境における携行品の出入りに関する法令の遵守、また報酬を目当てに物品を隠したり偽装したりして違法な運搬活動(いわゆる運び屋行為)へ従事しないこと、さらにはリスク回避のため来歴不明の食品の購入を避けるよう累次の呼びかけを行った。