マカオ、2023年9月の平均ホテル客室稼働率は78.6%…1〜9月累計では80.6%

 マカオは人口約68万人、面積約32平方キロという小さな街だが、世界遺産やカジノを核とした大型IR(統合型リゾート)に加え、マカオグランプリをはじめとした大規模イベントが数多く開催されるアジア有数の国際観光都市として知られる。

 マカオの年間訪マカオ外客数(インバウンド旅客数)はコロナ直前の2019年には延べ(以下同)3940万6181人(延べ、以下同)に上ったが、2020年は対前年85.0%減の589万6848人に急落。2021年は対前年30.7%増の770万5943人まで回復したものの、2022年は対前年26.0%減の570万0339人と再び下落に転じ、丸3年にわたって低迷が続いた。

 インバウンド旅客数が低迷した主要因として、2020年1月下旬から新型コロナ防疫対策の一環として入境制限を含む厳格な水際措置が講じられたことが挙げられる。ただし、2022年12月初旬に中国が事実上のウィズコロナへ急転換し、マカオも追随。今年(2023年)1月8日には水際措置が大幅緩和され、以降インバウンド旅客数は急回復し、その勢いを維持している。

 今年9月のインバウンド旅客数は前年同月比312.5%増、前月比28.6%減の230万1056人、今年1〜9月累計では前年同期比356.6%増の1992万8168人。9月は夏休みを終えた直後の伝統的な閑散期にあたるため対前月でのマイナスは正常。ここまで4月終了時点で昨年通期を超過、そこからわずか1ヶ月の5月終了時点で昨年の2倍に達し、さらに6月終了時点で1千万人の大台を突破。2千万人到達が目前に迫る状況だ。

 マカオ政府統計調査局は10月31日、今年9月のホテル宿泊客関連統計を公表。同月の平均ホテル客室稼働率は78.6%で、前年同月から41.1ポイント(pt)上昇、前月からは10.1pt下落。

 ホテル等級別では、5つ星が前年同月から46.0pt上昇の81.9%、4つ星が36.6pt上昇の73.1%、3つ星が29.5pt上昇の73.6%、2つ星ホテルが35.7pt上昇の77.3%、エコノミー宿泊施設が31.4pt上昇の74.9%。なお、5つ星ホテルの供給客室数が23.8%増、4つ星ホテルが16.7%増、3つ星ホテルが23.5%増、2つ星ホテルが18.0%増、エコノミー宿泊施設が0.8%増だった点も考慮する必要がある。

 今年9月末現在、マカオで営業中のホテル数は前年同時期から17軒増の137軒、供給客室数は22.2%増の4.57万室あり、このうち5つ星ホテルが4軒増の37軒で、供給客室数は全体の59.7%を占める2.73万室。

 今年9月のマカオのホテル宿泊客数は前年同月比158.2%増の113.5万人。このうち中国本土からの旅客が144.2%増の81.3万人、香港からの旅客が917.7%増の17.8万人、台湾からの旅客が873.7%増の3.0万人。一方、コロナ禍インバウンド低迷期にステイケーション需要等で稼働率の下支えをした地元マカオ客は41.5%減の4.6万人。前年同月はゼロだった日本人旅客は約6900人。ホテル宿泊客の平均滞在時間は前年同月から横ばいの1.6日。

 今年1〜9月累計の平均客室稼働率は前年同時期から43.1pt上昇の80.6%、ホテル宿泊客数は160.9%増の979.3万人、平均滞在時間は0.2日短い1.7日。

大型カジノIR(統合型リゾート)が建ち並ぶマカオ・コタイ地区の風景(資料)=2020年7月本紙撮影

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