凶悪犯罪大幅減、詐欺、麻薬関連犯罪増―2013年
- 2014/1/22 9:53
- 社会・政治
マカオ政府司法警察局は1月21日、2013年通年のマカオの刑事事件の状況について記者会見を行った。凶悪犯罪は大幅減となった一方、、詐欺や麻薬関連犯罪が増えており、市民に対して防犯対策を強化するよう呼びかけている。
刑事事件については、2013年通年の受理及び着手事案件数は前年から10.65%の上昇となる10,722件。そのうち、捜査件数は5,192件で、前年から636件増となった。
また、通年で調査を完了した事案は9,732件で、前年から70件の減少。しかし、送検を行った容疑者(拘留犯、非拘留犯、刑事責任を問えない年齢の者を含む)は2,419人と前年から432人の大幅増。事案の複雑化、司法警察局による調査レベルと法執行の効率化によるものとしている。
厳重刑事犯罪数は明確に減少となり、殺人が1件(2012年3件、2011年4件)、放火が19件(12年23件、11年38件)、誘拐が1件(過去2年間なし)だった。
市民の日常生活と密接に関連する犯罪については、強盗が128件(12年141件、11年163件)、盗難が1,803件(12年1,800件、11年2,064件)あり、住宅連続盗難事件は322件と明確な減少(12年432件、11年564件)で、被害額は40.5%減となった。同時に、商業ビルの連続盗難案は1件で、12年の29件から大幅減となった。司法警察局では、地域社会との防犯対策における協力の成果としている。
詐欺事案の全体数は増加となった。2013年は327件(12年210件、11年201件)で、懸賞詐欺、振り込め詐欺、電話による脅迫などが合わせて121件(12年14件、11年133件)と増加が目立つ。犯罪者がハイテク知識を活用しはじめていることや、地域を超えたものも見受けられるなど、市民の間で防犯意識を高める必要性があるとしている。
インターネット詐欺事案も明確な増で、2013年は338件(12年175件、11年124件)となった。
ゲーミング関連では、カジノ内で発生した犯罪事案が2013年に2,599件(12年2070件、11年2,028件)、ゲーミングに絡む監禁罪が39件(12年23件、11年20軒)、高利貸しが161件(12年150件、11年175件)と軒並み増加。司法警察局ではマカオのゲーミング業の持続的発展及びギャンブラー数の増が関連しているとみており、カジノにおける巡回を強化するなど対策を強化しているという。
2013年に着手した偽造貨幣行使(偽造クレジットカード使用を含む)は310件(12年249件、11年240件)あった。しかし、黒社会事案、犯罪グループによる案件はそれぞれ減少、前年並みだった。
麻薬犯罪事案では、着手した麻薬密売事案が大幅増となり、密売が137件(12年93件、11年96件)、運搬が3件(12年3件、11年14件)。2013年5月にはマカオで歴史上最大となるコカイン密輸案があり、48,031グラムのコカインを押収。司法警察局では、フェリーターミナル、空港など、マカオへの出入口における水際対応を強化しているという。
麻薬吸引及び吸引者数は、それぞれ191件、276人(12年142件/177人、11年102件、103人)。
青少年犯罪では、刑事責任を問えない16歳以下の送検処理数が12人(12年24人、11年19人)、16歳以上18歳未満の未成年容疑者の送検が43人(12年56人、11年71人)だった。
非マカオ籍者による犯罪も増加に転じ、通年で送検された容疑者は174人(12年145人、11年170人)。マカオで罪を犯した中国本土市民の数は1,757人(12年1,212人、11年1,033人)と大幅増となった。