マカオの2023年9月貨幣・金融統計公表…不良債権比率2.4%、前月から0.1pt上昇
- 2023/11/3 14:15
- 産業・経済
マカオ政府金融管理局は11月3日、今年(2023年)9月の貨幣・金融統計を公表。内容のサマリーは下記の通り。
【マネーサプライ】
流通貨幣が前月から0.1%、通知預金が4.7%のそれぞれ下落で、M1は3.3%減。また、準通貨負債は0.9%上昇。M1及び準貨幣負債を含む広義貨幣供給量M2は0.5%の上昇に転じ、金額は7273億マカオパタカ(日本円換算:約13兆5505億円)に。前年同月との比較では、M1が2.5%下落、M2が7.0%上昇。M2に占める通貨別の比率はマカオパタカが34.0%、香港ドルが44.7%、人民元が8.3%、米ドルが11.0%。
【預金】
マカオ居民(マカオ居留権保有者)による預金残高は前月から0.5%上昇の7067億マカオパタカ(約13兆1667億円)で2ヶ月ぶりのプラス、非居民による預金残高についても3.5%増の3378億マカオパタカ(約6兆2936億円)で4ヶ月連続増、公共部門の銀行システムへの預金残高は0.4%上昇の2124億マカオパタカ(約3兆9573億円)で2ヶ月ぶりのプラスとなり、これらを総合して計算した銀行システムの預金残高は1.3%上昇の1兆2569億マカオパタカ(約23兆4177億円)で4ヶ月連続伸長。このうち、マカオパタカ、香港ドル、人民元、米ドルの占める割合はそれぞれ19.8%、44.4%、8.6%、24.4%。
【融資】
地元民間部門への融資は前月から0.4%下落の5499億マカオパタカ(約10兆2454億円)。対外民間部門への融資は1.8%減の5759億マカオパタカ(約10兆7298億円)。民間部門へ融資額は合計で1.1%減の1兆1258億マカオパタカ(約20兆9751億円)となり、マカオパタカ、香港ドル、人民元、米ドルの比率はそれぞれ19.9%、46.7%、11.3%、19.8%。
【預貸率/不良債権比率】
銀行のマカオ居民に対する預貸率は今年9月末時点で前月末から0.6ポイント下落の59.8%。非マカオ居民含む総体預貸率は2.2ポイント下落の89.6%。1ヶ月及び3ヶ月ベース計算による流動資産対負債比率はそれぞれ62.5%、57.7%水準。このほか、不良債権比率は0.1ポイント上昇の2.4%に。不良債権比率はじわじわと上昇が続いている。