マカオ税関、香港から大量の中古スマホを身体に巻き付け密輸図った運び屋摘発

 澳門海關(マカオ税関)は11月8日、各イミグレーション施設における税関検査を強化すると同時に、香港税関との連携を強化して臨む中、同日港珠澳大橋マカオ側イミグレーション入境フロアの税関検査場で違法な運搬活動(いわゆる運び屋行為)に絡む中古スマートフォンの密輸事案を1件摘発したと発表。

 税関によれば、8日午前、香港税関から港珠澳大橋を経由してマカオ入りするとみられる運び屋に関するリアルタイム通報があり、港珠澳大橋マカオ側イミグレーションで入境者及び入境車両に対する警戒を強化していたところ、入境口で通報内容と特徴が一致する男1人を捉え、税関検査場で検査を受けるよう指示。この人物に対する厳格な検査を行った結果、身体に巻きつけるなどのかたちで中古スマートフォン80台、中古スマホディスプレイパーツ14点を隠し持っていたことが発覚。男は当該物品のマカオへの輸入に必要な書類を提示できなかったとのこと。

身体に巻き付けられた中古スマートフォン(写真:澳門海關)

 密輸を図ったのは港珠澳大橋のシャトルバスを利用して香港からマカオへ到着した香港人の男(32)で、税関の調べに対し、報酬を得て他人から依頼された物品をマカオ域内へ運ぼうとしたと説明したという。税関は男を対外貿易法違反で起訴するとともに、密輸品についても押収済みとした。

 本件を受け、税関では密輸取り締まりのための常時連携メカニズムも含め、水際での警戒を強化して臨んでいるとし、公衆に対して物品の出入りに関する法令の遵守、また営利を目的とした密輸に関与しないよう累次の呼びかけを行った。

 年初のウィズコロナ転換による水際措置の緩和を受けて、マカオと中国本土、香港との相互往来が容易になって以降、運び屋が絡む密輸入、密輸出事案が摘発されるケースが増えており、密輸品の種別では中古スマートフォン、中古バッテリー、冷凍肉、乾物、コスメ・スキンケア用品などが目立つ。

マカオ税関が押収した密輸品の中古スマートフォン及び中古スマートフォンディスプレイパーツ(写真:澳門海關)

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