マカオ、模擬紙幣を使った両替詐欺が4件連続発生…同一犯罪組織構成員とみられる中国人の女4人逮捕

 マカオ司法警察局は11月10日、同月8日午後に「練功券」と呼ばれる銀行員のトレーニング用の香港ドル模擬紙幣が使われた両替詐欺が4件連続発生し、同一犯罪グループに所属するとみられる中国人(中国本土からの旅客)の女4人(25〜57歳)を逮捕したと発表。

 同局によれば、被害者はマカオで違法両替に従事していた中国人(中国本土からの旅客)の男女4人で、それぞれ”業務”に必要な香港ドルを用立てるため両替相手と連絡を取り、統合型リゾート(IR)が集積するコタイ地区にあるホテルロビー、ホテル客室、ショッピングモール内などで取引を行ったが、相手方指定の銀行口座に人民元を送金した後、手渡された現金を確認する際に練功券であることに気づき、相手を取り押さえ、警察へ通報したものという。被害額は各人8〜19万人民元(日本円換算:約166万〜395万円)、4件合計で57万人民元(約1185万円)に上るとのこと。

 同郷の調べに対し、被疑者4人全員が犯行を認めた上、中国本土でSNS上を通じた募集に応じ、その指示に従って(マカオに隣接する中国広東省の)珠海市で練功券を受け取り、マカオで両替を行い、成功報酬として700〜3000人民元(約1.5万〜6.2万円)を受け取る約束だったなどと供述したとのこと。警察は4人を詐欺及び組織犯罪罪で検察院送致するとともに、バックにある犯罪組織について捜査を継続するとした。

 練功券は通貨としての価値がなく、一般に流通しているものではない。これまでもマカオではこれを用いた詐欺事件がしばしば発生していたが、前月下旬以降からは頻発している状況。

 昨今マカオのカジノ施設内外においては「換銭党」と呼ばれる違法両替商が暗躍し、これにまつわる各種犯罪も頻発しており、警察当局が換銭党を社会及びカジノにおける治安悪化の元凶と位置付け、度々大規模掃討作戦を展開するなど、取り締まりを強化して臨んでいる。

模擬紙幣を使った両替詐欺事件の証拠品(写真:マカオ司法警察局)

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