マカオ税関が運び屋への密輸品供給拠点摘発…大量のコスメ製品と中古パソコン押収
- 2023/11/16 9:33
- 社会・政治
澳門海關(マカオ税関)は11月15日、前日午後にマカオ半島北部・關閘エリアにあるショッピングアーケード「關閘天地」の一角に開設された違法な運搬活動(いわゆる運び屋行為)従事者向け商品供給拠点1ヶ所を摘発したと発表。
現場周辺は中国本土との主要な陸路の玄関口・關閘イミグレーションに近く、以前から両地の間を往来する運び屋相手のビジネスを行う店舗や倉庫などが存在すると指摘されており、当局が高頻度でパトロールや摘発を行っている場所のひとつにあたる。關閘天地では前週(9日)にも別のテナントが摘発を受けたばかり。
税関によれば、事前に当該ショッピングアーケード内のテナントが運び屋への商品供給拠点になっている疑いがあるとの通報があり、職員を派遣して内偵調査を進めていたとのこと。14日午後、運び屋とみられる男1人が調査対象のテナントを出た後に追跡し、そのまま徒歩で關閘イミグレーションビルに入ってマカオ側から中国本土側へ向けて出境したため、出境フロアにある税関検査場で呼び止めて手荷物検査を実施したところ、男の所持品の中からまとまった量のコスメティック製品と中古パソコンが見つかったという。
これを受け、税関がすぐに調査対象テナントに対する摘発に着手。現場にいた責任者の女1人とスタッフの女1人の身柄を拘束するとともに、店内でコスメティック製品400点及び中古パソコン3台、市価にして計約19万パタカ(日本円換算:約357万円)相当を発見。これらの物品について、すべて輸出入に必要な書類はなかったとのこと。さらに、店内から運び屋の氏名と携行させた物品の種類と量などが記載された書類も見つかり、先に税関検査場で検査対象とした男と完全一致する情報もあったとした。
本件に絡む密輸品供給拠点の責任者の2人はいずれもマカオ人、運び屋の男はマカオで就労する非マカオ人で、年齢は23〜39歳。税関では、現場の責任者の女が運び屋を組織して中国本土への密輸出活動を行ったとして対外貿易法違反で起訴するとともに、発見した物品全量を押収済みとした。運び屋の男は海外労働者の雇用に関する法律に違反するとして、労工事務局が調べを行い、その後に治安警察局の入管部門へ移送することになったという。
税関では、広く公衆に対して報酬目当てで運び屋行為に従事するようなことがないよう累次の呼びかけを行うと同時に、今後も法執行策を動態的に調整しながら全力を挙げて運び屋による密輸を摘発するとした。