マカオから中国本土への越境自家用車使った高級食材「燕の巣」密輸事案摘発

 澳門海關(マカオ税関)は11月16日、越境自家用車による違法な運搬活動(いわゆる運び屋行為)に対する警戒を強化して臨む中、同月13日にマカオと広東省との陸路の玄関口のひとつ、横琴口岸(イミグレーション施設)にある自家用車用出境ゲートの税関検査場で自家用車を使った高級食材「燕の巣」の密輸事案を1件摘発したと発表。

 税関によれば、ある越境自家用車が違法な運搬活動に関わっている疑いがあるとの通報を受け、リスク管理システムを活用して車両1台に狙いを定め、配備を敷いていたところ、当該車両が13日午後に横琴口岸から中国本土へ向け出境レーンに出現したとのこと。この際、税関検査場における目視検査で疑わしい点は見当たらなかったが、大型X線貨物・車両検査システムを使って検査を実施したところ、スキャン結果からドアの位置に多数の物品を隠している可能性が浮上。その後の詳細調査でドア下部の隙間の部分から合計15.67キログラムの燕の巣の発見に至ったという。

密輸に使われた越境自家用車と発見された密輸品(写真:澳門海關)

 運転者(39)は税関の調べに対し、運び屋に従事してデリバリーに成功した際に報酬を受け取れる約束だったことを認めたといい、対外貿易法違反=最大5万パタカ(約94万円)の罰金=で起訴するととともに、発見に至った物品を押収済みとした。税関では運び屋を組織するグループが背後にいるものとして本件に関する捜査を継続する考え。

 近年、マカオ登録の自家用車が比較的簡単な手続きで広東省に乗り入れ可能となる政策が導入されたことを受け、マカオと中国本土との間の自家用車での往来が増えている状況。

 税関は市民に対して物品の出入りに関する法令の遵守、また運び屋行為に関与することなどないよう累次の注意喚起を行っている。

(上)大型X線貨物・車両検査システムのスキャン結果と(下)密輸品隠匿工作の状況(写真:澳門海關)

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