第70回マカオグランプリが無事閉幕…アフターコロナで看板レース復活、F3は英国のブラウニング選手が初参戦で優勝
- 2023/11/19 20:05
- ツーリズム
マカオで年に一度開催されるモータースポーツの祭典「マカオグランプリ」。1954年にスタートした歴史ある大会で、市街地の公道を転用した全長約6.2kmの「ギアサーキット」が舞台となる。
今年(2023年)の「第70回マカオグランプリ」がきょう(11月19日)夕方、全日程を消化して無事に閉幕した。
今大会は70周年を記念して異例の2週末連続6日間(11月11〜12日及び16〜19日)に。コロナ禍で開催見合わせが続いていたグレード及び世界的な注目度も高い看板レースにあたる「フォーミュラ3(F3)マカオグランプリ – FIA F3ワールドカップ」、「マカオGTカップ – FIA GTワールドカップ」、「マカオギアレース – クムホTCRワールドツアーイベントオブマカオ」、二輪車による「マカオモーターサイクルグランプリ」が4大会ぶりに出揃った。
上記も含め、今大会では第1週の2日間に5種、第2週の4日間に6種の計11レースが行われ、アフターコロナでマカオと外地との往来も正常化したことを受け、日本を含む世界各国・地域から約250選手が参戦し、屈指の難コースとして知られるギアサーキットを駆け抜けた。日本選手の参加は実に4大会ぶりのこと。
大会最終日となる19日、「マカオGTカップ – FIA GTワールドカップ」と「F3マカオグランプリ – FIA F3ワールドカップ」決勝など5レースと70周年を記念したクラシックカーによるパレードなどのイベントが行われた。
最終レースとなった午後3時30分スタートの「F3マカオグランプリ – FIA F3ワールドカップ」決勝(15周)には26台が出場。ポールポジションだった英国のルーク・ブラウニング選手(所属チーム:Hitech Pulse-Eight)が安定した走りで終始トップをキープし、初参戦での初優勝を飾った。同レースは開始直後から上位の順位が目まぐるしく入れ替わる見応えのある展開となったが、8週目にマシンが火を吹く大クラッシュが発生し、およそ1時間にわたって中断。再開後もまた表彰台をめぐる激しい争いが繰り広げられたが、しばらくしてセーフティカーが出動する事態となり、そのままチェッカーを迎えた。ファステストラップはブラウニング選手が7周目に出した2分06秒647(時速173.9キロ)。同選手はレース終了後の会見で、強力なライバルの存在とコースの難易度の高さを挙げた上、勝利の鍵はマシンのパフォーマンスだったとし、表彰台のトップに立つことができ言葉にできないほどの喜びを感じ、夢が叶ったと笑顔で語った。
F3マカオグランプリは若手ドライバーのF1への登竜門として知られる存在。優勝を持つアイルトン・セナやミハエル・シューマッハがF1ワールドチャンピオンに輝いた。2001年に日本人初優勝を飾った佐藤琢磨も翌年からF1に参戦した。なお、今大会のF3マカオグランプリは日本選手の出場はなかった。
このほか、大会第1週の2日目(12日)に開催された「マカオフォーミュラ4(F4)レース」ファイナル(12周/出場22台)には、日本選手が2人出場。クラッシュが相次ぐ状況の中、DRAGONこと組田龍司選手(B-Max Racing Team)が完走を果たし13位に。本レースに出場した2人の女性ドライバーのうちの1人、小山美姫選手(Super License)は1周目に難所として知られるリスボアコーナーでクラッシュし、途中リタイアだった。
また、マカオ政府体育局の潘永権局長は閉幕後に囲み取材に応じた際、6日間累計の入場者数(初歩集計)は延べ約14.5万人だったとし、同じく6日間開催だった10年前(60周年)時を上回り、同氏は事前に予期した効果を挙げることができたとの見方を示した。また、第2週の4日間に限った入場者数は約9.9万人で、コロナ禍の中で開催された前回(69回)の約7.6万人のみならず、コロナ前2019年(66回)の約8.6万人も大きくクリアした。