マカオ、カジノディーラーが客と共謀…負けても配当するなどしてチップ詐取…被害額約844万円

 マカオ司法警察局は11月24日、共謀して不正を行いカジノ運営企業に損失を与えたとして、コタイ地区にあるカジノ施設に勤務するマカオ人のディーラー職の男とマカオで就労する中国人の男の2人を巨額詐欺罪で逮捕、起訴したと発表。

 同局の発表によれば、前月(10月)30日に当該カジノ施設の運営会社から施設内の監視を行っていた際、ディーラー職スタッフがゲームで負けた客1人に対してゲーミングチップを配当したことに気づき、両人の共謀による詐欺行為の疑いがあるとする通報が寄せられたとのこと。

 通報を受け、同局ゲーミング犯罪犯罪捜査担当部門が捜査にあたり、両人は前月中の少なくとも5日間にわたって犯行を繰り返しており、1日あたり4万〜12万香港ドル(日本円換算:約77万〜230万円)、計44万香港ドル(約844万円)を詐取していたことが判明。その後、両人の身元を特定し、11月22日に客に扮した男をマカオ半島北部で、またディーラー職の男が中国本土からマカオへ戻った際にイミグレーション施設内でそれぞれ逮捕することに成功したという。

 同局の調べに対し、両人とも犯行を認めた上、資金はディーラー職の男が提供し、客に扮した男が詐取したチップを持ち出した後、中国広東省珠海市で合流した際に山分けしていたとのこと。ディーラー職の男は約22万香港ドル(約422万円)を手に入れたとし、家宅捜索でこのうちの一部とみられる15万香港ドル(約288万円)の発見に至ったが、客に扮した男は約12万香港ドル(約230万円)を手にしたが、すべて使い果たしたと説明したという。

 ゲーミングチップはカジノフロアにあるキャッシャーと呼ばれるカウンターで額面の現金と交換することができる。つまり、現金そのもの。マカオのカジノでは、しばしばチップを狙った犯罪が発生している。

マカオ司法警察局(資料)=本紙撮影

関連記事

最近の記事

  1.  マカオ市政署(IAM)は11月21日、マカオ半島のギアの丘(松山)に位置する史跡「松山軍用隧道(…
  2.  マカオ政府衛生局(SSM)は11月22日夜、同日マカオ域内で輸入性デング熱感染を新たに1例確認し…
  3.  マカオ治安警察局は11月21日、他人の身分証を使用してカジノへ入場した上、賭博で獲得した得たポイ…
  4.  冬のマカオの街を美しく彩る毎年恒例のイルミネーションイベント「ライトアップマカオ2024(中国語…
  5.  マカオ政府統計・センサス局(DSEC)は11月21日、今年(2024年)10月の訪マカオ外客数(…

ピックアップ記事

  1.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  2.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  3.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  4.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営するマカオ…
  5.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…

注目記事

  1.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  2.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  3.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  4.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  5.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年12月号
(vol.138)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun