マカオ、模擬紙幣に絡む両替詐欺事件が同日内に3件発生…中国人違法両替商3人逮捕
- 2023/11/28 9:26
- 社会・政治
マカオ司法警察局は11月27日、同月25日に「練功券」と呼ばれる銀行員のトレーニング用の香港ドル模擬紙幣を用いた両替詐欺に関する被害者からの通報が3件あり、すべて被疑者の逮捕に成功したと発表。
被疑者は3人ともマカオで換銭党と呼ばれる違法両替に従事する中国人(中国本土居民)で、年齢は31〜40歳。3件で押収された練功券は額面500香港ドル(日本円換算:約9500万円)と同1000香港ドル(約1.9万円)の計800枚に上り、被疑者は3人は報酬を目当てに他人の指示を受けマカオへ来て両替を行ったが、模擬紙幣であることは知らなかったなどと供述したという。
同局によれば、上述の3件の被害者は4人で、いずれのケースも香港ドルを調達するためSNSのチャットアプリのグループチャットを通じて「換銭党」と呼ばれる違法両替商とアポを取ってコタイ地区のカジノ施設で対面取引を行った際、相手方指定の銀行口座に人民元を送金した後、受け取った香港ドルが練功券だったことに気づき、取り押さえて通報したというもの。4人の被害額は合計約45万香港ドル(約856万円)に上ったとのこと。
同局では、被疑者3人を相当巨額詐欺罪で検察院送致済みとした上、3人が同一のグループチャット内にいたことがわかっており、同じ犯罪組織のメンバーだった可能性もあるとみて捜査を継続しているとした。
マカオのカジノでプレイする際には主に香港ドルが用いられることから、中国本土から人民元を持ち込む旅客にとって香港ドルとの両替が必要となるケースがある。
練功券は通貨としての価値がなく、一般に流通しているものではない。これまでもマカオではこれを用いた詐欺事件がしばしば発生していたが、今年10月下旬以降からは頻発している状況で、同局が累次の注意喚起を行っている。
昨今マカオのカジノ施設内外においては換銭党が暗躍し、これにまつわる各種犯罪も頻発しており、警察当局が換銭党を社会及びカジノにおける治安悪化の元凶と位置付け、度々大規模掃討作戦を展開するなど、取り締まりを強化して臨んでいる。