マカオ、2023年通期のカジノ売上は約3.2兆円…コロナ前2019年の6割強まで回復

 マカオ政府博彩監察協調局(DICJ)は1月1日、昨年(2023年)12月の月次及び通期のカジノ売上(粗収益、Gross Gaming Revenue=GGR)統計を公表。

 昨年12月のカジノ売上は前年同月から433.3%増の185.67億パタカ(日本円換算:約3243億円)で、対前月でも15.7%増。コロナ前の2019年同月との比較では18.7%減。

 12月の営業日は31日間で、前月との比較で1日多い。12月の1営業日あたりの平均売上は前月を0.64億パタカ(約11.2億円)上回る5.99億パタカ(約104.6億円)だった。

 昨年通期のカジノ売上は前年から333.8%増の1830.59億パタカ(約3兆1976億円)。変動率は前月時点から8.9ポイント拡大。2019年との比較では37.4%減。

 昨年のカジノ売上は3月から本格的な回復が進み、夏場以降に加速。4月終了時点で前年通期の実績を上回り、10月終了時点で政府が財政予算で設定した年間カジノ売上目標の1300億パタカ(約2兆2708億円)を達成。政府は市場の回復が進む状況を受け、2024年の財政予算でカジノ売上目標を引き上げ、2160億パタカ(約3兆7730億円)としている。

 マカオではコロナ禍で入境制限を含む厳格な防疫措置が講じられた関係で2020〜2022年にかけてカジノ売上が低迷したが、2023年1月初頭のウィズコロナへの転換をきっかけにインバウンド旅客数が急回復し、その勢いを年末まで維持した。なお、インバウンド旅客数は統計の出ている1〜11月累計で2019年同時期の約7割まで回復しており、カジノ売上の回復率を上回って推移している。

大型カジノIR(統合型リゾート)が建ち並ぶマカオ・コタイ地区の夜景(資料)=2020年7月本紙撮影

【資料1】2023年のマカオの月次カジノ売上の推移(カッコ内は前年比)
・1月:115.80億パタカ=約2023億円(82.5%減)
・2月:103.24億パタカ=約1803億円(33.1%増)
・3月:127.38億パタカ=約2225億円(246.9%増)
・4月:147.22億パタカ=約2572億円(449.9%増)
・5月:155.65億パタカ=約2719億円(365.9%増)
・6月:152.07億パタカ=約2656億円(513.9%増)
・7月:166.62億パタカ=約2910億円(4082.9%増)
・8月:172.13億パタカ=約3007億円(686.4%増)
・9月:149.37億パタカ=約2609億円(404.2%増)
・10月:195.01億パタカ=約3406億円(400.2%増)
・11月:160.43億パタカ=約2802億円(435.0%増)
・12月:185.67億パタカ=約3243億円(433.3%増)
>1〜12月累計:1830.59億パタカ=約3兆1976億円(333.8%増)

【資料2】2013年〜2022年のマカオの年間カジノ売上の推移(カッコ内は前年比)
・2013年:3607.49億パタカ=約6兆3014億円(18.6%増)*ピーク時
・2014年:3515.21億パタカ=約6兆1402億円(2.6%減)
・2015年:2308.40億パタカ=約4兆0322億円(34.3%減)
・2016年:2232.10億パタカ=約3兆8989億円(3.3%減)
・2017年:2657.43億パタカ=約4兆6419億円(19.1%増)
・2018年:3028.46億パタカ=約5兆2900億円(14.0%増)
・2019年:2924.55億パタカ=約5兆1085億円(3.4%減)
・2020年:604.41億パタカ=約1兆0558億円(79.3%減)
・2021年:868.63億パタカ=約1兆5173億円(43.7%増)
・2022年:421.98億パタカ=約7371億円(51.4%減)

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