マカオから中国本土への運び屋による越境自家用車利用した食材密輸事案1件摘発

 澳門海關(マカオ税関)は12月31日、IT技術の活用を含め、越境自家用車による違法な運搬活動(いわゆる運び屋行為)に対する警戒を強化して臨む中、同月31日にマカオと広東省との陸路の玄関口のひとつ、横琴口岸(イミグレーション施設)にある自家用車用出境ゲートの税関検査場で越境自家用車を使った食材密輸事案を1件摘発したと発表。

 税関によれば、リスク管理システムの早期警戒アラートをもとに横琴口岸から中国本土へ向かう自家用車1台をマークし、大型X線貨物・車両検査システムを使って検査を実施したところ、スキャン結果からドア付近に何らかの物品を隠している疑いが浮上。税関職員による詳細調査でフロント及びリアシートとトランクから合計約443キログラム分のソーセージと日本産の甘薯が見つかったとのこと。

 運転者は税関の調べに対し、インターネット上で知り合った友人からの依頼で荷物をピックアップしてマカオから出境し、取引完了時に報酬を受け取る約束だったなどと説明。税関は、運転者の男(55)を対外貿易法違反=最大5万パタカ(約88万円)の罰金=で起訴するととともに発見に至った物品を押収済みとしたほか、税関は背後に運び屋をまとめるグループがいるものとみて捜査を追跡捜査を行う方針という。

 近年、マカオ登録の自家用車が比較的簡単な手続きで広東省に乗り入れ可能となる政策が導入されたことを受け、マカオと中国本土との間の自家用車での往来が増えており、越境自家用車を悪用して運び屋行為に従事する人物の摘発も相次いでいる。

 税関は市民に対して物品の出入りに関する法令の遵守、また運び屋行為に関与することなどないよう累次の注意喚起を行うとともに、今後も隠匿、偽装による密輸に対する取り締まりを強化して臨むとした。

税関検査で越境自家用車内から発見された密輸品(写真:澳門海關)

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