マカオで約3ヶ月ぶりの百日咳感染例確認…患者は生後7ヶ月の女児、外遊歴なし

 マカオ政府衛生局(SSM)は1月3日夜、マカオで百日咳の感染者が1人確認されたと発表した。百日咳は百日咳菌のくしゃみや咳などによる飛沫感染で起こる感染症。

 患者は生後7ヶ月の女児で、2023年12月22日から主に夜間に咳の症状が現れ、発熱や鼻水が出るといった症状はなかったものの、12月26日と28日に私立の大型総合病院として知られる鏡湖醫院を受診したが、その後も明瞭な症状の好転がみられず、2024年1月1日に咳の症状が悪化し、喘鳴が出現したため、再度同院を受診した後、入院治療を受けることとなり、同院で患者の呼吸器から採取したサンプルを検査した結果、百日咳菌の陽性反応が確認され、百日咳感染と診断されたもの。患者は依然入院治療を受けているが、容体は安定しているとのこと。

 なお、患者はマカオ生まれで、DTaP(ジフテリア、破傷風、百日咳)三種混合ワクチンを接種済みだったという。託児所利用歴はなく、自宅で過ごしていたほか、外遊歴もなかったが、以前に同住の父親が咳をしていたといい、これまでのところ他の同住者に体調不良の者は出ていないとのこと。SSMでは、患者の家族に対して予防薬の配布準備を進めるとともに、患者の潜伏期間中に接触歴のある人について健康状況の追跡調査を行うとした。

 SSMによれば、マカオではWHO(世界保健機関)のガイドラインに沿って、百日咳の予防接種を2、4、6、18ヶ月及び5歳時に実施しており、予防接種の普及後、マカオで百日咳の感染例が見つかるのは極めて稀なケースとのこと。前回マカオで百日咳の感染例が確認されたのは2023年9月中旬のこと。その前のケース2020年2月に遡る。

 SSMでは、直近およそ10年間では自然感染の減少から妊婦やその他成年の間で抗体が弱まるなどの理由で世界的に発病率が高まっている状況もあると指摘。すでに抗生物質による有効な治療が存在するが、発症早期の使用が有効とした。

マカオの大型総合病院として知られる鏡湖醫院(資料)=本紙撮影

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