マカオで香港ドル模擬紙幣絡む両替詐欺が2件相次ぎ発生…中国人の男3人逮捕
- 2024/1/11 8:42
- 社会・政治
マカオ司法警察局は1月10日、同月5日と6日に「練功券」と呼ばれる銀行員のトレーニング用の香港ドル模擬紙幣を用いた両替詐欺が2件相次ぎ発生し、マカオで違法両替に従事する中国人(中国本土出身)の男3人を逮捕したと発表。
1件目は5日午後、被害者の男性2人がSNSのチャットアプリのグループチャットを通じて違法両替商と連絡を取り、コタイ地区にあるホテルの客室内で取引することになり、当該客室で2人の男と交渉を経て被害者2人が交渉で決まった金額を相手側指定の銀行口座へ送金した後、額面1000香港ドルの紙幣100枚の束を2つ手渡されたが、その場で内容を確認したところすべて練功券だったことに気づき、警察に通報したもの。
同局の調べに対し、被疑者2人は犯行を否認した上、1人は仲介費を受け取るため同席しただけ、もう1人は他人から指示を受けて取引役を引き受け、成功報酬を報酬を手にできる予定だったが、練功券とは知らなかったなどと供述したとのこと。
2件目は6日夜に発生し、被害に遭うまでの経緯は1件目とほぼ同様。被疑者は成功報酬目当てで他人の指示を受けて取引に臨んだが、指示役と共謀して被害者から金銭を騙し取るようなつもりはなかったなどと供述したという。
同局では、上述の3人について、相当巨額詐欺罪で検察院送致するとともに、指示役など逃走中の関係者の行方を追跡しているした。
マカオのカジノでプレイする際には主に香港ドルが用いられることから、中国本土から人民元を持ち込む旅客にとって香港ドルとの両替が必要となるケースがある。
練功券は通貨としての価値がなく、一般に流通しているものではない。これまでもマカオではこれを用いた詐欺事件がしばしば発生していたが、昨年(2023年)10月下旬以降からは頻発している状況で、同局が累次の注意喚起を行っている。
マカオのカジノ施設内外においては、違法両替商(換銭党)が暗躍し、これにまつわる各種犯罪も頻発しており、警察当局が換銭党を社会及びカジノにおける治安悪化の元凶と位置付け、度々大規模掃討作戦を展開するなど、取り締まりを強化して臨んでいるほか、インバウンド旅客に対して詐欺被害を避けるため正規ルートでの両替を行うよう呼びかけもなされている。