マカオ、違法両替商が詐欺被害…常連客の男逮捕

 近年、マカオのカジノ施設内外においては、「換銭党」と呼ばれる違法両替商が暗躍し、これにまつわる各種犯罪も頻発しており、警察当局が換銭党を社会及びカジノにおける治安悪化の元凶と位置付け、度々大規模掃討作戦を展開するなど、取り締まりを強化して臨んでいる。

 換銭党が存在する背景には、マカオのカジノでプレイする際には主に香港ドルが用いられることから、中国本土から人民元を持ち込む旅客にとって香港ドルとの両替が必要となるケースがあるためだ。警察当局がインバウンド旅客に対して詐欺被害を避けるため正規ルートでの両替を行うよう呼びかけを行っているものの、依然として換銭党が絡む詐欺事件などが後を絶たない。

 一般的に客が被害者となったり、換銭党同士のトラブルがほとんどだが、このほど換銭党が被害者となる珍しい事案が発生した。

 マカオ司法警察局は1月10日、換銭党から45万香港ドル(日本円換算:約837万円)分のゲーミング(カジノ)チップを騙し取ったとして、中国人(中国本土居民)の男1人を逮捕したと発表。

 同局によれば、被害にあった換銭党にとって被疑者は常連客だったといい、相手を信用して送金を受ける前にチップを渡したものの、相手がカジノで全額負けた後、約束していた送金を拒絶したため、騙されたとして警察に通報したという。

 通報を受けた警察がまもなく被疑者を逮捕。被疑者は警察の調べに対し、チップは代理ベットのために提供されたもので、負けた場合に返す必要はないものだったなどと犯行を否認する供述をしたとのこと。ただし、同局は男を相当巨額詐欺罪で検察院送致する方針とした。

マカオ司法警察局(資料)=本紙撮影

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