マカオ、香港ドル模擬紙幣絡む両替詐欺が2件発生…中国人の男女2人逮捕

 マカオ司法警察局は1月17日、同月14日と15日に「練功券」と呼ばれる銀行員のトレーニング用の香港ドル模擬紙幣を用いた両替詐欺事案が2件発生し、違法両替に従事する中国人(中国本土居民)の男女2人を逮捕したと発表。

 同局によれば被害者は2人で、それぞれSNSのチャットアプリのグループチャットを通じて相手方と連絡を取ってコタイ地区にある2つのホテルの客室内で取引することになったが、相手側の指示通りに銀行口座へ送金した後、それぞれ相手側から手渡された額面1000香港ドルの紙幣の束の内容をその場で確認したところ、すべて練功券だったことに気づき、警察に通報するに至ったという。

 同局の調べに対し、被疑者2人は成功報酬を目当てに他人の指示を受けて両替を行ったことは認めたものの、紙幣が練功券だったとは知らなかったと供述したとのこと。同局では、上述の2人について、相当巨額詐欺罪で検察院送致する方針。

香港ドル模擬紙幣絡む両替詐欺の証拠品(写真:マカオ司法警察局)

 マカオのカジノでプレイする際には主に香港ドルが用いられることから、中国本土から人民元を持ち込む旅客にとって香港ドルとの両替が必要となるケースがある。

 練功券は通貨としての価値がなく、一般に流通しているものではない。これまでもマカオではこれを用いた詐欺事件がしばしば発生していたが、昨年(2023年)10月下旬以降からは頻発している状況で、同局が累次の注意喚起を行っている。

 マカオのカジノ施設内外においては、違法両替商(換銭党)が暗躍し、これにまつわる各種犯罪も頻発しており、警察当局が換銭党を社会及びカジノにおける治安悪化の元凶と位置付け、度々大規模掃討作戦を展開するなど、取り締まりを強化して臨んでいるほか、インバウンド旅客に対して詐欺被害を避けるため正規ルートでの両替を行うよう呼びかけもなされている。

香港ドル模擬紙幣絡む両替詐欺の証拠品(写真:マカオ司法警察局)

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