マカオ税関、着衣の下に隠す手口の中古スマホ密輸事案多数摘発…9日間で289台発見

 澳門海關(マカオ税関)は1月18日、着衣の下に隠す手口での密輸に対する検査体制の強化を図り、違法な運搬活動(いわゆる運び屋行為)に対して厳格な取り締まりを維持する中、直近9日間(1月9〜17日)にこの手口で中古スマートフォンの密輸を図った事案を9件摘発したと発表。

 摘発があったのは關閘と青茂のイミグレーション施設で、すべてマカオから中国本土への持ち出し(密輸出)、発見に至った数は計289台だったとのこと。

 税関によれば、いずれも各イミグレーション施設にある税関検査場の「申告物なし」レーンを通過しようとしたが、歩き方が不自然など不審な形跡があったことなどから税関職員が呼び止め、金属探知ゲートまたはボディスキャナによる検査を実施した結果、着衣の下に密輸品を隠していたことが発覚したもの。50台以上を身につけていた例も複数あったという。

 上述の9件の密輸に関わったのは男女9人で、24〜69歳のマカオ居民及び中国本土居民。9人全員を対外貿易法違反で起訴済みとした。

1月9日に關閘イミグレーションで発見された密輸事案3件のうちの2件の例(写真:澳門海關)

 昨年(2023年)1月初頭のウィズコロナ転換による水際措置の緩和に伴い、マカオと中国本土、香港との相互往来が容易になって以降、運び屋が絡む密輸入、密輸出事案が摘発されるケースが増えており、密輸品の内容は中古スマートフォン、また着衣の下に隠す手口が特に目立っている。

 税関では、市民に対して出入境における携行品の出入りに関する法令の遵守、また報酬を目当てに物品を隠したり偽装したりして運び屋行為へ従事しないよう累次の呼びかけを行うとともに、今後も隠匿や偽装による違法な運搬活動を撲滅するため、継続して水際における各種取り締まりを強化して臨みむと姿勢を示している。

1月9日に青茂イミグレーションで発見された密輸事案2件の例(写真:澳門海關)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ司法警察局は9月5日、マカオで無資格にも関わらず薬剤の注射による美容医療行為に従事したとし…
  2.  マカオ政府統計・センサス局は9月6日、今年(2024年)5〜7月期の住宅価格指数を公表。 …
  3.  マカオではアフターコロナで社会・経済の正常化が進んだ昨年(2023年)から歩行者による禁止場所で…
  4.  マカオの多くのカジノ施設が航空会社のマイレージ制度と似た会員プログラムを提供しており、入会するこ…
  5.  マカオ司法警察局は9月5日、マカオの高齢者を狙った特殊詐欺(電話詐欺)事案に関与したとして20代…

ピックアップ記事

  1.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  3.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  4.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  5.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…

注目記事

  1.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  2.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  3.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  4.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  5.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年9月号
(vol.135)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun