マカオ税関が運び屋への密輸品供給拠点摘発…フカヒレ約220キロ押収
- 2024/1/27 13:25
- 社会・政治
澳門海關(マカオ税関)は1月25日午後、マカオ半島北部・關閘エリアにある工業ビル内に開設された違法な運搬活動(いわゆる運び屋行為)従事者向け商品供給拠点1ヶ所に対する摘発を実施した。
現場周辺は中国本土との主要な陸路の玄関口・關閘イミグレーションに近く、以前から両地の間を往来する運び屋相手のビジネスを行う店舗や倉庫などが存在すると指摘されており、当局が高頻度でパトロールや摘発を行っている場所のひとつ。
税関によれば、情報収集を通じて市内で運び屋への商品供給拠点となっている可能性がある場所に対する内偵調査を進める中、25日午前、關閘イミグレーション出境フロアにある税関検査場の申告物なしレーンを通過した女1人を呼び止めて手荷物検査を実施したところ、乾燥フカヒレ2袋(計3キログラム)を所持していたことが発覚。女は税関の調べに対し、事前にマークしていた關閘エリアにある工業ビル内の商品供給拠点で商品をピックアップし、運搬料名目の報酬を得る目的で商品を携行して出境したことを認めたため、即座に当該商品供給拠点に対する摘発に着手したとのこと。
摘発時、現場には責任者が1人、見張り役が1人、スタッフが2人おり、中から輸出入に必要な書類のない乾燥150袋(計約220キログラム)、市価にして約80万パタカ(日本円換算:約1473万円)相当が発見されたという。
本件に絡む密輸品供給拠点の責任者の男1人は香港人で、運び屋の女1人とスタッフ3人はいずれもマカオ人、年齢は28〜61歳。税関では、現場の責任者の男が運び屋を組織して中国本土への密輸出活動を行ったとして上述の5人を対外貿易法違反で起訴、発見した物品全量を押収するとともに、責任者の男が違法就労にあたり、また当該場所の営業許可もなかったとして労工事務局、治安警察局出入境管理部門、財政局がそれぞれフォローアップを行うとした。
税関では、広く公衆に対して報酬目当てで運び屋行為に従事するようなことがないよう累次の呼びかけを行うと同時に、今後も法執行策を動態的に調整しながら全力を挙げて運び屋による密輸を摘発するとした。