マカオ、カジノ高利貸し事件が2件相次ぎ発生…中国人の男女6人逮捕
- 2024/1/27 21:30
- 社会・政治
マカオ司法警察局は1月26日、同月24日と25日にかけてカジノ高利貸し事件が2件発生し、合計6人を逮捕したと発表。
1件目は、24日に発生したもので、中国本土からマカオを訪れていた女性が高利貸し及び監禁被害に遭ったケース。同日午前4時頃、被害者がコタイ地区にあるカジノ施設外で金を貸すと持ちかけてきた人物と出会い、考慮の末に毎回のカジノゲームの勝ちに対してベット額の5割を利息として支払う約束で20万香港ドル(日本円換算:約379万円)を借り入れたとのこと。
しかし、同日午前8時頃になって借りた金をすべて負け、利息の支払いは4万香港ドル(約76万円)に上ったが、元金の返済には至らず、高利貸しから同日午後3時頃に再び同じ高利貸しから20万香港ドルを借り、別のカジノ施設へ連れて行かれゲームに興じたものの、同日午後8時頃にすべて負け、80万香港ドル(約1516万円)を利息として取られたという。その後、元金を返済できなかったことから、コタイ地区にあるホテル客室に監禁され、25日午前7時頃に隙を見て警察に通報することに成功。まもなくマカオ司法警察局の警察官が現場で被害者を救出するとともに、客室を借り、被害者の監視役を務めていた男1人を逮捕したとのこと。
容疑者の男は同局の調べに対して供述を拒否しているというが、同局では本件に絡む7人が逃走中とみて追跡を進めているとした。
2件目は25日正午頃、同局がコタイ地区で防犯パトロールを行っていた際、カジノ施設のVIPルームのテーブルで不審な行為を発見したことがきっかけで明らかになったもの。ゲームに勝った男(被害者)が手にした額面の大きいチップが数人の手に渡った後に額面の小さいチップにくずして(両替して)被害者に戻される過程で一部が抜かれていたといい、被害者が利息を取られている可能性があるとして捜査を進めた末、同日午後1時頃に現場で男4人と女1人を逮捕したという。
被害者は警察に対し、ゲームで勝った場合に2割の利息を支払う約束で30万香港ドル(約569万円)分のゲーミングチップを借り、同日午前11時頃から高利貸しグループの監視下でゲームに興じ、司法警察局に発見されるまでの約1時間の間に7万香港ドル(約133万円)分のチップを支払ったと説明し、手元に約24万香港ドル(約455万円)分のチップが残っていたとのこと。また、容疑者の所持品の中から、被害者の説明と符合する7万香港ドル分のチップ及び借用書を作成するためのものとみられるスタンプインクが見つかったとした。
同局では、1件目で逮捕した中国人(中国本土居民)の男1人を高利貸し及び他人の行動の自由剥奪の罪で、2件目で逮捕したいずれも中国人(中国本土居民)の男女5人を高利貸しの罪でそれぞれ検察院送致する方針。