マカオ、違法両替絡む監禁事件発生…中国人の男女5人逮捕

 マカオ司法警察局は3月25日、同月23日にコタイ地区の統合型リゾート(IR)併設ホテル客室で発生した監禁事件に関与したとして中国人(中国本土居民)の男女5人を逮捕したと発表。

 同局によれば、被害者は「換銭党」と呼ばれる違法両替に従事する中国人の男で、23日未明に友人から両替の需要があると声がけされ、ソーシャルネットワーキングアプリを通じて相手側とアポを取り、相手側を自身が滞在するホテル客室へ呼んで取引を行うことになったとのこと。この際、相手は30万香港ドル(日本円換算:約58万円)の現金を提示し、被害者の友人が現金を持って現場を去ったという。実は被害者と友人は相手から現金を騙し取る算段だったといい、相手に送金が失敗したなどと言い訳をして半時間ほど経過した際、相手が仲間とみられる男2人、女2人を部屋に呼び、被害者に返金を求め、被害者は親友に送金するよう連絡を取るも成功せず、結果的に両替相手と仲間の計5人に監禁されるかたちとなり、両替相手の男からハサミを使って脅迫された上、多人数による威圧の下、2枚の借用書にサインをさせられるに至り、その後に親友を通じてホテルの警備員に救助を求め、事件が発覚したという。

 同局では、捜査で得られた情報から、監禁に関与した5人を脅迫、他人の行動の自由剥奪、禁止武器所持などの罪で検察院送致するとともに、被害者とその友人についても巨額詐欺罪で立件する方針とした。

警察が公開した監禁事件の証拠品(写真:マカオ司法警察局)

 マカオのカジノでプレイする際には主に香港ドル建てのチップが用いられることから、中国本土から人民元を持ち込む旅客にとって香港ドルの現金やチップとの両替が必要となるケースがある。

 かねてよりマカオのカジノ施設内外においては、換銭党が暗躍し、これにまつわる各種犯罪も頻発していることから、警察当局が換銭党を社会及びカジノにおける治安悪化の元凶と位置付け、度々大規模掃討作戦を展開するなど、取り締まりを強化して臨むほか、インバウンド旅客に対して詐欺被害を避けるため正規ルートでの両替を行うよう呼びかけもなされている。

関連記事

最近の記事

  1.  マカオ治安警察局は11月21日、他人の身分証を使用してカジノへ入場した上、賭博で獲得した得たポイ…
  2.  冬のマカオの街を美しく彩る毎年恒例のイルミネーションイベント「ライトアップマカオ2024(中国語…
  3.  マカオ政府統計・センサス局(DSEC)は11月21日、今年(2024年)10月の訪マカオ外客数(…
  4.  マカオを中心にアジア、欧州で統合型リゾート(IR)施設の開発・所有・運営を行うメルコリゾーツ&エ…
  5.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営する澳門輕…

ピックアップ記事

  1.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  2.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  3.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  4.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営するマカオ…
  5.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…

注目記事

  1.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  2.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  3.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  4.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  5.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年12月号
(vol.138)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun