マカオカジノIR運営MGMチャイナが2024年1Q業績発表…調整後EBITDAと市場シェアが過去最高に

 マカオ政府とカジノ経営コンセッションを結ぶ6陣営の一角で、マカオ半島でMGMマカオ、コタイ地区でMGMコタイの両IR(統合型リゾート)施設を運営するMGMチャイナ社は5月2日、今年第1四半期(2024年1〜3月)の監査前業績を発表。

 同社発出資料によれば、グループの今年第1四半期の純収入は前年同時期から70.6%増の83億香港ドル(日本円換算:約1647億円)で、コロナ前2019年同時期の143%。調整後EBITDAは前年同時期から77.3%増、2019年同時期の155%にあたる25億香港ドル(約496億円)で、過去最高を更新。さらに調整後EBITDAマージンはマス事業への集中と営業効率アップによって前年同時期(29.2%)及び2019年同時期(28.1%)を上回る30.3%に達したとのこと。

 今年第1四半期の同社グループのカジノ売上(カジノ粗収益/GGR)は2019年同時期の136%、スロットマシンを含むマスゲーミング部門(いわゆる平場)に限ると189%となり、市場シェアは17.0%で、2023年通期(15.2%)、2019年通期(9.3%)から大幅拡大し、こちらも過去最高に。内訳はMGMマカオが6.9%、MGMコタイが10.1%。

 また、今年第1四半期の同社のホテル旅客数は2019年の151%、客室稼働率は93.4%で、前年同時期(90.5%)、2019年同時期(91.8%)を上回った。

 財務状況についても、今年第1四半期末時点の総流動資金は169億香港ドル(約3358億円)と安定を維持しているとした。

 マカオでは、昨年1月から新コンセッション(10年間)がスタート。MGMは入札評価点が6陣営の中でトップだった。改正カジノ法の施行後、マカオのゲーミングテーブル台数にキャップ制が導入され、新コンセッションスタートに合わせて当局が各事業者への再配分を行った。MGMチャイナはゲーミングテーブル配分において6陣営で唯一、従前から割り当て数が増加した事業者。同社の割当テーブル数は従前の552台から36%増の750台となり、業績回復を後押ししているとみられる。

 MGMチャイナ社長兼エグゼクティブダイレクターのケネス・フェン氏は今回の業績発表において「当社の好調な業績は、ゲストのニーズをしっかり把握し、サービスレベルを継続的に向上させてきたことの証であるばかりでなく、従業員一同がイノベーションに取り組み、ゲストに魅力的な旅行体験を提供しようと努力してきたことの証でもある」としたほか、「マカオの将来に十分な自信を持っている」とコメントした。

大型カジノIR「MGMコタイ」(資料)=マカオ・コタイ地区にて本紙撮影

関連記事

最近の記事

  1.  在香港日本国総領事館は11月22日、同月14日に澳門日本会に対する在外公館長表彰授与式が執り行わ…
  2.  マカオ市政署(IAM)は11月21日、マカオ半島のギアの丘(松山)に位置する史跡「松山軍用隧道(…
  3.  マカオ政府衛生局(SSM)は11月22日夜、同日マカオ域内で輸入性デング熱感染を新たに1例確認し…
  4.  マカオ治安警察局は11月21日、他人の身分証を使用してカジノへ入場した上、賭博で獲得した得たポイ…
  5.  冬のマカオの街を美しく彩る毎年恒例のイルミネーションイベント「ライトアップマカオ2024(中国語…

ピックアップ記事

  1.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  3.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  4.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  5.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営するマカオ…

注目記事

  1.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  2.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  3.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  4.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  5.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年12月号
(vol.138)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun