マカオの2024年3月貨幣・金融統計公表…不良債権比率が4.2%まで上昇

 マカオ政府金融管理局は5月6日、今年(2024年)3月の貨幣・金融統計を公表。内容のサマリーは下記の通り。

【マネーサプライ】
 流通貨幣が前月から1.5%、通知預金が4.7%のそれぞれ下落となり、M1は3.8%減。また、準通貨負債は0.3%増加。M1及び準貨幣負債を含む広義貨幣供給量M2は微減、金額は7453億マカオパタカ(日本円換算:約14兆2678億円)に。前年同月との比較では、M1が9.5%下落、M2が2.6%上昇。M2に占める通貨別の比率はマカオパタカが33.8%、香港ドルが45.3%、人民元が7.4%、米ドルが12.1%。

【預金】
 マカオ居民(マカオ居留権保有者)による預金残高は前月から横ばいの7242億マカオパタカ(約13兆8639億円)、非居民による預金残高は1.8%減の3163億マカオパタカ(約6兆0552億円)で2ヶ月連続減、公共部門の銀行システムへの預金残高は2.5%増の1929億マカオパタカ(約3兆6928億円)で4ヶ月ぶり増となり、これらを総合して計算した銀行システムの預金残高は0.1%減の1兆2336億マカオパタカ(約23兆6145億円)で3ヶ月ぶり減に。このうち、マカオパタカ、香港ドル、人民元、米ドルの占める割合はそれぞれ20.3%、44.0%、8.5%、25.0%。

【融資】
 地元民間部門への融資は前月から0.5%増の5374億マカオパタカ(約10兆2873億円)。対外民間部門への融資は1.7%減の5369億マカオパタカ(約10兆2777億円)。民間部門へ融資額は合計で0.6%減の1兆0743億マカオパタカ(約20兆5650億円)となり、マカオパタカ、香港ドル、人民元、米ドルの比率はそれぞれ20.8%、46.2%、10.5%、19.2%。

【預貸率/不良債権比率】
 銀行のマカオ居民に対する預貸率は今年3月末時点で前月末から横ばいの58.6%。非マカオ居民含む総体預貸率は0.5ポイント下落の87.1%。1ヶ月及び3ヶ月ベース計算による流動資産対負債比率はそれぞれ62.3%、55.2%水準。このほか、不良債権比率は0.1ポイント上昇の4.2%に。不良債権比率は上昇が続いている。

マカオ金融管理局ビル(資料)=2020年7月本紙撮影

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