中国本土での特殊詐欺で得た資金をマカオでデビットカード使い金製品購入して洗浄…中国の男逮捕

 マカオ司法警察局は6月7日、特殊詐欺グループが中国本土での電話詐欺で得た資金をマカオで洗浄(マネーロンダリング)する協力をしたとして中国人(中国本土居民)の男を逮捕したと発表。

 同局によれば、前月(5月)24日にマカオの金融機関から「何者かが中国本土の銀行が発行したデビットカードを使い、マカオの2つの店舗で合計約96万パタカ(日本円換算:約1871万円)の金製品を購入したが、口座の資金は電話詐欺によって得られたもので、マネーロンダリングの疑いがある」との通報が寄せられたとのこと。

 通報を受けた同局が即座に捜査に着手。中国本土の公安当局から提供を受けた資料をもとに、2人の男が5月初旬から複数回にわたってマカオ入りし、合計9枚の中国本土のデビットカードを使い、マカオの3つの店舗で38回にわたって金製品を購入し、特殊詐欺グループの資金約580万パタカ(約1億1302万円)を洗浄していたことが判明したという。これらのカードに絡む資金は54件の電話詐欺事案によるもので、合計被害額は約1219万人民元(約2億6366万円)に上るとのこと。

 その後、同局が2人の男の身元の割り出しに成功。いずれも犯行後にマカオを離れ、中国本土へ潜伏していることがわかったが、このうち1人が6月6日に空路マカオ入りしたことから、空港内で逮捕したという。容疑者は同局の取り調べに対する協力及び金製品の行方についての説明を拒否しているというが、捜査で得られた情報からこの男が資金洗浄役を担う特殊詐欺グループの幹部メンバーであり、5月13日から15日にわたってマカオで12回にわたって約178万パタカ分の金製品を購入して資金洗浄を行ったことは明らかとし、相当巨額詐欺、組織犯罪、マネーロンダリングの罪で検察院送致するとともに、逃走中の男の行方を追っているとした。

 マカオでは前月下旬にも同様の事件が明らかになったばかり。

警察が公開した証拠品(写真:マカオ司法警察局)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  目下、マカオ司法警察局では、マカオの治安環境の保護と維持、カジノ関連犯罪の抑止と取り締まり、市民…
  2.  中国の国家移民管理局は7月1日、同月10日から非中国籍の香港・マカオ永久居民について、「港澳居民…
  3.  マカオ政府公共建設局(DSOP)は7月1日、マカオ半島とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マ…
  4.  澳門海關(マカオ税関)は6月30日、各イミグレーション施設で検査体制の強化を図り、違法な運搬活動…
  5.  マカオ政府博彩監察協調局(DICJ)は7月1日、今年(2024年)6月の月次カジノ売上(粗収益、…

ピックアップ記事

  1.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  3.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  4.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…
  5.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…

注目記事

  1.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  2.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  3.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  4.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  5.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年7月号
(vol.133)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun