マカオの2024年4月飲食業・小売業景気調査結果公表…両業界とも売上額対前月マイナス、翌月が良化見通し

 マカオ政府統計・センサス局は6月19日、今年(2024年)4月の飲食業と小売業に関する景気調査結果を公表した。

 同局の調査に回答した飲食業者の売上額は前年同月から11.8%減。ジャンル別では西洋料理レストランが22.8%減と大きく落ち込んだ一方、茶餐廳・粥麺店は0.3%増。また、小売業者の売上額は32.3%減。各ジャンルとも落ち込んだが、中でも時計・ジュエリーが44.6%減と顕著だった。なお、繁忙期のイースターホリデーが前年は4月、今年は3月と月ズレしたことが減少要因とみられる。

 前月と比較した売上額については、飲食業で7.5%減、小売業についても12.4%減。飲食業ではチャイニーズスタイルの酒楼・飯店が13.9%減、日韓レストランは2.1%増。小売業では時計・ジュエリーが21.7%減、自動車は13.2%増。

 4月と比較した5月の見通しについては、飲食業の33%が増、17%が減、小売業では46%が増、17%が減とした。なお、飲食業のうちチャイニーズスタイルの酒楼・飯店の52%、小売業のうちコスメティック・衛生用品小売、革製品小売、百貨商、時計・ジュエリー小売のそれぞれ70%、57%、50%、46%が増と回答。

 売上高の前月比の変化を反映した業務展望指数は飲食業が57.7、小売業が64.5で、いずれも基準値となる50を上回り、4月に比べて5月の売上が良化するとみていることを示す結果に。

 なお、調査サンプル数は飲食業が229事業者、小売店が161事業者で、コロナ前2019年の各業界における総売上の前者が53.5%、後者が70.6%を占めるとのこと。

 マカオでは昨年1月初頭のウィズコロナ転換による水際措置の大幅緩和を受けてインバウンド旅客数の急回復が続いており、直近まで勢いを維持している。ただし、アフターコロナでは、インバウンド旅客の消費嗜好の変化のほか、ボーダーを跨ぐ移動が容易になったことで「北上消費」と呼ばれる広東省珠海市への消費流出など、マカオ市民のマカオ以外での消費が増えたとする見方もある。

マカオ歴史市街地区にあるモンテの砦から望む町並み(資料)=2020年4月本紙撮影

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