マカオ政府統計・センサス局（DSEC）は6月28日、今年（2024年）3〜5月期の雇用統計を公表した。

　総体失業率は1.9%、マカオ居民（マカオ居民IDカード保有者、いわゆるローカル）に限った失業率は2.5%で、いずれも前回調査（2024年2〜4月期）から横ばいで、両指標ともコロナ前2019年同時期と同水準まで回復。不完全雇用率についても横ばいの1.4%。

　今年3〜5月期のマカオ居住の労働人口は37.93万人、労働参加率は67.4%。就業人口は前回調査から200人減の37.21万人で、マカオ居民に限ると800人減の28.36万人。業界別では、金融業と建設業で減、インバウンド旅客数の回復が進む状況を受け、ホテル・飲食で増となった。

　失業人口は7200人で、前回調査から200人減。5調査期連続で減少。中でも55歳以上の失業人数が減が目立ち、高等教育学歴保持者の失業人数については7調査期連続で減少が続く状況。新たな職を探す失業者のうち、直前までカジノ・カジノ仲介業、小売業、建設業に従事していた人の数が多くを占めた。このほか、初めての職探しをする人が占める割合は0.2ポイント上昇の6.2%に。

　不完全就業者数は前回調査から200人減の5200人。業界別では、建設業と運輸・倉庫業が多くを占めた。

　前年同時期との比較では、労働参加率、失業率、不完全雇用率がそれぞれ0.1、0.9、0.4ポイント下落。

　就業調査の統計対象はマカオ半島、タイパ・コロアン島にある住宅の居住者（学生寮や高齢者入所施設等のグループホームを除く）で、域外からマカオへ越境通勤する マカオ居民及び海外労働者は含まれない。出入境資料を元にマカオ居民及び海外労働者の越境通勤者数は約10.29万人と推計され、これを含むマカオの総労働力は前回調査から横ばいの48.22万人。

　インバウンド依存度の高いマカオ経済はコロナ禍で長期低迷を余儀なくされ、ローカルの失業率は2022年6〜8月期に過去最悪の5.5%を記録。昨年の年初からはアフターコロナでインバウンド旅客数が急回復し、人材需要にも好影響が及んでいる状況。コロナ禍では雇用の調整弁となる海外労働者数が大幅減となったが、アフターコロナで増加に転じている。

　マカオ政府労工事務局（DSAL）は今年も定期的にジョブマッチングフェアの開催、職業訓練機会の提供するなど、ローカルの就業支援に継続して取り組んでいるとのこと。同局によれば、今年上半期に開催したジョブフェア等のマッチング機会を通じて6669人の就職を支援し、前年同時期から14%増加したとのこと。主な雇用主は統合型リゾート施設のホテルや飲食業、建設業で、これらが全体の約8割を占めたという。