マカオ、中華圏以外からのインバウンド旅客数が顕著な伸長…2024年上半期146.3%増の約117万人に

 マカオでは、昨年(2023年)の年初からアフターコロナでインバウンド旅客数の回復が進み、直近まで勢いを維持している。

 マカオのインバウンド市場は伝統的に中華圏(中国本土・香港・台湾)からの旅客が大半を占め、中でも中国本土からの旅客が全体の約7割を占めるが、近年マカオ政府は旅客ソースのダイバーシティ化を目標に掲げ、香港からマカオへの片道交通費無料キャンペーンなど、さまざまな中華圏以外からの国際旅客の誘致策を講じている。

 マカオ政府統計・センサス局が公表したデータを参照すると、今年上半期(2024年1〜6月)のマカオの総インバウンド旅客数は前年同時期から43.6%増の1600万人超(延べ、以下同)に達し、このうち国際旅客に限ると146.3%増の117万人と顕著な伸長だった。

 また、今年上半期に団体旅行方式でマカオを訪れた旅客数は1.7倍増の約96.8万人で、国際団体旅客に限ると8.4倍増の約10.2万人に上った。団体旅行がインバウンド旅客数の底上げに寄与している状況がみてとれる。

 マカオ政府経済財政司司長弁公室は7月29日に発表した国際旅客誘致に関する取り組みに関する施政コラムの中で、インバウンド旅客誘致の方針として、中華圏市場からの旅客を確固たるものとすると同時に、北東アジア及び東南アジア市場を重点ターゲットとし、欧米等の長距離市場については段階的に開拓を進めていく考えを明らかにした。

 マカオ政府は、今年の年初から東京、シンガポール、ジャカルタ、ソウル、バンコク、クアラルンプールで一般消費者向けのPRと旅行業界向けの商談会を含む大規模な観光プロモーションイベントを実施してきた。

 下半期にかけてはマカオで多くの観光イベントの開催を予定しているほか、各種優遇キャンペーンの継続展開や旅行商品の充実を図り、観光デスティネーションとしてのマカオの魅力を各種チャネルを使って発信することと合わせ、国際旅客ソースの拡大促進を図るとのこと。

インドネシア・ジャカルタで実施された大規模マカオ観光プロモーションイベント会場の様子(資料)=2024年5月(写真:マカオ政府経済財政司司長弁公室)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ招商投資促進局(IPIM)は9月8日、同局と国際熱帯木材機関(ITTO)の主催による「グロ…
  2.  マカオ司法警察局は9月7日、非マカオ籍の男性ギャンブラーへ賭博用途のカネを高利で貸し付けた上、返…
  3.  マカオでは、台風11号(国際名「ヤギ」)の接近による影響で、9月5日午後10時から6日午後2時ま…
  4.  マカオでは、9月5日から6日かけて超大型の台風11号(国際名「ヤギ」)が接近し、激しい風雨に見舞…
  5.  マカオ経済の屋台骨となっているのが、カジノを主としたゲーミング(ギャンブル)産業だ。マカオにはカ…

ピックアップ記事

  1.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  3.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  4.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…
  5.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…

注目記事

  1.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  2.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  3.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  4.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  5.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年9月号
(vol.135)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun