マカオIR運営MGMチャイナが2024年1H業績発表…主要指標コロナ前上回る、カジノ市場シェアは16.5%に

 マカオ政府とカジノ経営コンセッションを結ぶ6陣営の一角で、マカオ半島でMGMマカオ、コタイ地区でMGMコタイの両IR(統合型リゾート)施設を運営するMGMチャイナ社は8月1日、今年第2四半期(2024年4〜6月)及び上半期の監査前業績を発表。

 同社発出資料によれば、グループの今年上半期の純収入は前年同時期から52%増の162億香港ドル(日本円換算:約3103億円)で、コロナ前2019年同時期の144%。調整後EBITDAは前年同時期から57%増、2019年同時期の161%にあたる49億香港ドル(約938億円)、調整後EBITDAマージンはマス事業への集中と営業効率アップにより前年同時期(29.7%)及び2019年同時期(27.2%)を上回る過去最高の30.5%に達した。

 今年上半期のマカオの総合カジノ売上(カジノ粗収益/GGR)に占める同社グループの市場シェアは16.5%で、2023年同時期(14.9%)、2019年同時期(9.5%)から大幅拡大。内訳はMGMマカオが6.7%、MGMコタイが9.8%。

 また、今年上半期の同社グループホテルの訪問客数は2019年の153%、客室稼働率は前年同時期(91.7%)を上回る93.9%だったとのこと。

 今年第2四半期については、ホテル訪問客数が2019年同時期の156%、単日平均カジノ売上が2019年同時期の134%、マスゲーミング部門(いわゆる平場)に限ると185%。収益は前年同時期の144%にあたる80億香港ドル(約1532億円)、調整後EBITDAは前年同時期の168%にあたる24億香港ドル(約460億円)、調整後EBITDAマージンは前年同時期(26.3%)から大きく伸長して30.7%に。

 財務状況についても、今年第2四半期末時点の総流動資金は160億香港ドル(約3064億円)と安定を維持しているとした。

 マカオでは、昨年1月から新コンセッション(10年間)がスタート。 MGMは入札評価点が6陣営の中でトップだった。改正カジノ法の施行後、 マカオのゲーミングテーブル台数にキャップ制が導入され、新コンセッションスタートに合わせて当局が各事業者への再配分を行った。 MGMチャイナはゲーミングテーブル配分において6陣営で唯一、従前から割り当て数が増加した事業者。同社の割当テーブル数は従前の552台から36%増の750台となり、業績回復を後押ししているとみられる。

 MGMチャイナ社長兼エグゼクティブダイレクターのケネス・フェン氏は今回の業績発表において「当グループ事業は成長を継続しており、市場全体のパフォーマンスを上回っている」とした上、「ダイバーシティ化された国際的観光デスティネーションを目指すマカオ政府のビジョンに沿って、よりユニークで複合的な旅行体験をゲストに提供するというコミットメントを履行していきたい」とコメントした。

大型カジノIR「MGMコタイ」(資料)=マカオ・コタイ地区にて本紙撮影

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