マカオで今年6人目の在郷軍人病感染者確認…患者は70歳の地元女性、潜伏期間中の外遊歴なし

 マカオ政府衛生局(SSM)は8月1日夜、マカオで今年(2024年)6人目となる在郷軍人病(退役軍人病、レジオネラ肺炎)感染者を確認したと発表。

 患者は慢性疾病と喫煙歴を持つ地元マカオ人の女性(70)で、7月28日から発熱と咳の症状が現れたため医師の診療を受けたところインフルエンザA型と診断、抗ウイルス薬を処方されたが、30日に自宅で倒れ、救急車で公立総合病院の仁伯爵綜合醫院(通称:山頂醫院)へ搬送された後、同院における補助検査で肺炎及びレジオネラ・ニューモフィラ抗原陽性であることが明らかとなり、在郷軍人病と診断されるに至ったとのこと。患者は入院治療を受けているものの、現在容体は落ち着いているという。なお、患者に潜伏期間中の外遊歴はないとした。

 SSMによれば、在郷軍人病はレジオネラ属菌が引き起こす伝染病の一種で、菌を含む水が空調などを通じて飛散することによる空気感染すると考えられているとのこと。病名の由来は1976年に米国フィラデルフィアで開催された在郷軍人大会で集団発生したことによる。レジオネラ属菌は多様な環境下に存在するが、20〜45℃の温水で成長しやすく、水のタンク、スパプール、噴水、家庭で用いられる医療用吸入器などから見つかることも多いとのこと。症状としては、発熱、空咳、呼吸困難、倦怠感、頭痛、筋肉痛、腹痛、下痢などが挙げられ、抗生物質による治療が可能とのこと。

 マカオで在郷軍人病の感染者が見つかるのは極めて稀なケースだが、今年については3月に1人、4月に4人、5月に1人の感染確認があった(このうち4人が潜伏期間中に中国本土または香港滞在歴があり、1人は未発表)。近年の感染確認例は2023年が1人、2022年が1人、2021年が3人、2020年が6人、2019年が2人、2018年が5人。

 SSMは広く公衆に対して在郷軍人病予防策を講じ、感染リスクを軽減するよう累次の呼びかけを行っている。

マカオの公立大型総合病院、仁伯爵綜合醫院(資料)=本紙撮影

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