マカオ、高級住宅街にある一軒家が空き巣被害…実行役の男を逃走先の中国本土で逮捕

 マカオ司法警察局は8月5日、マカオ随一の高級住宅街として知られるマカオ半島南西部の西望洋山の邸宅で空き巣事件が発生し、実行役とみられる40代の男を逃走先の中国本土で現地警察当局が、また協力者とみられる30代の男を同局がマカオ域内で逮捕したと発表。被疑者2人はいずれも中国人(中国本土居民)。

 同局によれば、被害に遭った邸宅の家主は外遊中で、管理を委託していた家主の親戚が同月4日正午頃に家事のため邸宅を訪れたところ、宅内が荒らされ、こじ開けられた金庫及び工具類、大量の血痕など空き巣に入られた形跡があったことから、同局へ通報。金庫の中にあった金品などおよそ1000万パタカ(日本円換算:約1.8億円)相当が盗まれたという。

 通報を受けた同局が即時に捜査を展開し、まもなく実行役とみられる男を特定。男は同月3日夜、単独で工具を持って邸宅へ侵入した後、3時間に及ぶ犯行の中で怪我を負って流血したとみられ、犯行後に現場付近で血の付いた着衣を捨てた後、徒歩でマカオ半島新口岸地区にあるホテルで仲間の男と合流して着替えをした上、4日未明に横琴イミグレーションから中国本土へ逃走したことが明らかになったとのこと。

 これを受け、緊急警務連絡メカニズムを通じて中国本土の警察当局に捜査協力を要請し、4日午後に珠海市内で容疑者の逮捕及び盗まれた金品の大半を奪還することに成功。同時に、同局が上述のホテル客室で協力者の男を逮捕するとともに、客室内で実行役が盗んだ金品を入れるのに使ったとみられる血痕の付着したエコバッグを発見。さらに、事件現場付近の草むらから実行役が犯行時に着用していたとみられる血の付いた衣服も見つかったという。

 マカオと中国本土(珠海市)、香港の間は陸路で24時間往来が可能となっている。アフターコロナで外地との往来が正常化して以来、ボーダーを跨ぐ犯罪もしばしば発生しており、三地の警察当局間での連携、情報共有等の対策が進められている。同局では、今回の事案について、中国本土当局との協力を通じて迅速な容疑者逮捕につながり、両地の間の警務連絡メカニズムが有効に機能している証左との見方を示した。

警察が公開した証拠品=2024年8月5日(写真:マカオ国際司法警察局)

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