マカオで中国人グループによる祈祷詐欺が再出現…地元の高齢女性3人が被害

 マカオ司法警察局は8月7日、いわゆる祈祷詐欺でマカオの高齢者女性から現金を詐取するなどしたとして中国人(中国本土居民)の男女5人グループを逮捕したと発表。

 同局によれば、近日祈祷詐欺グループがマカオ入りして犯行を繰り返しているとの情報をキャッチしたことを受けて捜査を進め、グループメンバーの身元を特定。同月6日夕方、マカオ半島南西部の下環地区でこのグループが地元の高齢女性と接触したことが確認され、この女性に事情を聞いたところ、現金600パタカ(日本円換算:約1.1万円)を詐取されていたことが判明し、同日夜にマカオ半島中区にある簡易宿泊施設で容疑者5人の逮捕に成功したとのこと。逮捕時、5人は合計約8000パタカ(約14.6万円)の現金を所持していたという。

 また、その後の捜査で、このグループが同日午前にマカオ半島の祐漢エリアと新橋エリアでも高齢女性2人を騙していたことがわかり、3人の被害額は合計9600パタカ(約17.5万円)だったとした。

 このグループのリーダー男は38歳、メンバーの男1人と女3人は56〜68歳で、全員が広東省出身とのこと。5人は声かけ役、神医役、見張り役などに分かれ、公園や公設市場周辺で広東語を使って高齢者に「神医を探している」と声がけし、通りすがりを装った別の仲間の女が「自身は神医の妻で祈祷ができる」などと話しかけ、本人や家族に災難が降りかかるなどと嘘を言った上で、これを解消する祈祷料名目で現金を詐取していたとのこと。なお、被害者のうち1人は詐欺の可能性に気づいて現金の持ち合わせがないと回答したところ、無理やりバッグを開けられ、中に入っていた現金を持ち去られたという。

 同局では、捜査で得られた情報から上述の5人が犯罪グループを形成して詐欺及び窃盗を行ったことは明らかとし、全員を組織犯罪、窃盗、詐欺の罪で検察院送致する方針。

 マカオでは前月下旬にも同様の中国人グループによる祈祷詐欺事件が発生したばかり。同局は街頭での見知らぬ人物からの声がけには十分に注意し、類似の状況にあった際には一旦落ち着いて考え、相手の言葉を容易に信じず、簡単に金品を手割ったさないこと、また多額の金品を動かす必要なある際には、家族にも相談することが肝要とし、詐欺が疑われる状況に遭遇した場合は速やかに警察へ通報してほしいと呼びかけた。

警察が公開した証拠品(写真:マカオ司法警察局)

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