マカオ衛生当局がデング熱に対する注意喚起発出…近隣エリアでの当地感染例出現と東南アジア各地で深刻な流行続く状況受け

 マカオ政府衛生局(SSM)は8月23日、広東省珠海市や香港といったマカオの近隣エリアでデング熱の当地感染例が確認され、マカオでもデング熱伝播の高リスクシーズンを迎えているとし、市民に対して予防対策の強化及び感染が疑われる症状が出た際には速やかに医療機関を受診するよう注意喚起を行った。

 資料によれば、広東省の多くの場所でデング熱感染例が確認される中、珠海市で8月1日に今年最初の当地感染例が報告されており、香港では今年累計の感染確認例が51例に上り、うち4例が当地感染例だったほか、今年は東南アジア諸国・地域における状況が特に深刻で、今年累計の感染確認例はシンガポールで前年同時期から96.13%増の1万0913例、マレーシアで22.87%増の9万0533例、ベトナムで44%増の5万7858例に上っているとのこと。

 同局では、デング熱はデングウイルスによる感染症で、ウイルスを持つヒトスジシマカに刺されることで感染するとした上、マカオにおける前月(7月)の蚊の繁殖指数(誘蚊産卵器指数)は59.8%となっており、指数は4月以降前年同時期より高い状況が続き、広くマカオにヒトスジシマカが分布していることを意味し、域内でのデング熱伝播リスクが高まっているとの見方を示し、蚊を媒介とする感染症の予防措置として最も合理的で有効な策は発生源を取り除くことであり、同局として水が溜まりやすい場所に対するパトロール及び薬剤の散布等の対策を強化して臨んでいるとした。

 なお、昨年のマカオにおけるデング熱感染確認は7例、今年に入って以降のデング熱感染確認例は2月(1件)、5月(1件)、6月(2件)、7月(1件)の5例で、すべて輸入性事案(患者にマレーシア、ブラジル、タイ、インドネシア、スリランカ・フィリピン滞在歴)だった。

マカオの街頭に掲出されているデング熱への注意を呼びかけるサイネージ(資料)=本紙撮影

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオは今年(2024年)五年に一度のマカオ特別行政区行政長官選挙イヤーを迎えている。マカオ行政…
  2.  マカオ治安警察局は9月12日、マカオの路上で香港の宝くじに相当するマーク6(六合彩)を販売した6…
  3.  マカオで複数の統合型リゾート(IR)を運営するSJMリゾーツ社とマカオ美術協会が主催するアートラ…
  4.  マカオで複数の統合型リゾート(IR)を運営するウィンマカオ社は9月11日、同社が傘下のIRを舞台…
  5.  プレイングカード(トランプ)やゲーミングチップ、スマートゲーミングテーブルといったカジノ用品に強…

ピックアップ記事

  1.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  2.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…
  3.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  4.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  5.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…

注目記事

  1.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  2.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  3.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  4.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  5.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年9月号
(vol.135)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun