マカオ、2024年5〜7月期の総体失業率は1.7%…コロナ前2019年同時期並み

 マカオ政府統計・センサス局(DSEC)は8月30日、今年(2024年)5〜7月期の雇用統計を公表した。

 総体失業率は1.7%、マカオ居民(マカオ居民IDカード保有者、いわゆるローカル)に限った失業率は2.3%で、いずれも前回調査(2024年3〜5月期)から横ばい。両指標ともコロナ前2019年同時期と同水準まで回復。不完全雇用率については0.2ポイント下落(良化)の1.3%。

 今年5〜7月期のマカオ居住の労働人口は100人増の38.31万人、就業人口は横ばいの37.64万人で、マカオ居民に限ると700人増の28.63万人。業種別の就業人口動向では、医療衛生・社会福祉とゲーミング(カジノ)業で増、卸売・小売業で減。

 卒業生が労働市場へ投入された影響を受け、失業人口は100人増の6700人となり、7調査期ぶりの増に。ただし、2019年同時期からは300人減。初めての職探しをする人が占める割合は1.9ポイント上昇の9.9%、高等教育学歴を有する失業者の数が増加した。新たな職を探す失業者のうち、直前までカジノ・カジノ仲介業、小売業に従事していた人の数が多くを占めた。

 不完全雇用者数は900人減の4800人で、運輸・倉庫業、飲食業、ゲーミング業における人数減が顕著。

 前年同時期との比較では、労働参加率(67.8%)が0.2ポイント上昇、失業率(1.7%)と不完全雇用率(1.3%)はそれぞれ0.9ポイント、0.4ポイント下落。

マカオ政府労工事務局が開催したジョブマッチングイベントの様子(写真:DSAL)

 就業調査の統計対象はマカオ半島、タイパ・コロアン島にある住宅の居住者(学生寮や高齢者入所施設等のグループホームを除く)で、域外からマカオへ越境通勤する マカオ居民及び海外労働者は含まれない。出入境資料を元にマカオ居民及び海外労働者の越境通勤者数は約10.30万人と推計され、これを含むマカオの総労働力は前回調査から横ばいの48.61万人。

 インバウンド依存度の高いマカオ経済はコロナ禍で長期低迷を余儀なくされ、ローカルの失業率は2022年6〜8月期に過去最悪の5.5%を記録。昨年の年初からはアフターコロナでインバウンド旅客数が急回復し、人材需要にも好影響が及んでいる状況。コロナ禍では雇用の調整弁となる海外労働者数が大幅減となったが、アフターコロナで増加に転じている。

 マカオ政府労工事務局(DSAL)は今年も定期的にジョブマッチングフェアの開催、職業訓練機会の提供するなど、ローカルの就業支援に継続して取り組んでいるとのこと。同局によれば、今年1〜8月中旬に開催したジョブフェア等のマッチング機会を通じて9364人の就職を支援したとのこと。

マカオの最近の主要就業指標(※DSEC公表の図版をベースに作成)

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