マカオ税関が中国ボーダー近くの工業ビル内に開設された運び屋向け密輸品供給拠点摘発…冷凍肉類950kg発見

 澳門海關(マカオ税関)は9月27日、同月26日夜にマカオ半島北部・台山エリアの牧場街にある工業ビル内に開設された違法な運搬活動(いわゆる運び屋行為)従事者向け商品供給拠点のテナント1つを摘発したと発表。

 現場周辺は中国本土との主要な陸路の玄関口・關閘イミグレーション(通称:ボーダーゲート)に近く、以前から両地の間を往来する運び屋相手のビジネスを行う店舗や倉庫などが存在すると指摘され、当局が高頻度でパトロールや摘発を行っている場所のひとつ。

 税関によれば、運び屋の暗躍状況に留意し、市内における監察とパトロールを強化して臨む中、26日午後にマカオ半島北部でパトロール中に運び屋向けの密輸品供給拠点になっているとみられるテナント1つを発見したことから、即座に摘発を行ったとのこと。

 摘発時、テナント内には責任者の男1人がおり、中から冷凍肉類合計約950キログラム、市価およそ7万パタカ(日本円換算:約124万円)相当が見つかったという。

工業ビル内に開設された密輸品供給拠点に対する摘発の様子=2024年9月26日(写真:澳門海關)

 当該テナントの責任者の男(31)はマカオ人で、税関ではこの男が運び屋を組織して中国本土への密輸出し、正当な貿易活動の規制逃れを企図したとし、対外貿易法違反で起訴、発見した物品全量を押収するとともに、食材の保管状況(温度管理)が食品安全法に触れる可能性があるとして市政署に通報したほか、営業許可証なしで運営していたとして財政局が調査を進めるとした。

 アフターコロナでマカオと外地の往来が正常化した昨年の年初以来、マカオでは運び屋が絡む密輸事案がの摘発が頻発。昨年から直近にかけてマカオから中国本土への密輸出で摘発されたケースについては、冷凍肉類やロブスターといった食材と中古スマホやCPUといった電子製品が目立っている。

詳しい調査のため税関本部へ連行される密輸品供給拠点の責任者の男=2024年9月26日(写真:澳門海關)

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