マカオがアジアトップの裕福な地域に…米フォーブス誌の1人あたりGDPランキング

 このほど米フォーブス誌が2024年の世界で最も裕福な国・地域ランキングを発表。マカオが世界2位、アジアでトップとなった。

 同誌のランキングは、国・地域の裕福度を比較する指標のひとつであるIMF(国際通貨基金)推計の1人あたりGDP(域内総生産)を現地のインフレ率及びモノ・サービスの値段を考慮したPPP(購買力平価)で調整後の数値を用いている。

 ランキングトップ10はルクセンブルク、マカオ、アイルランド、シンガポール、カタール、アラブ首長国連邦、スイス、サンマリノ、米国、ノルウェーとのこと。このほか、台湾が14位、香港が15位で、日本はトップ20圏外。

 このうち、マカオのPPP調整後の1人あたりGDPは前年から13.9%増の13万4140米ドル(日本円換算:約2千万円)。同誌は寸評の中で、マカオは主におよそ40あるカジノ施設が富をもたらし、世界有数のトラベルでティネーションになっているとした上、コロナ禍では渡航制限や度重なるロックダウンにより多大な打撃を受けたが、急速に景気回復が進んでいると紹介した。

 マカオは面積およそ33平方キロ(山手線の内側の約半分)、人口わずか70万人足らずの小さな地域だが、カジノ粗収益が世界最大規模を誇る。目下、インバウンド旅客数はコロナ前レベルまで戻し、カジノ粗収益についてもコロナ前の8割近くまで回復している。

 マカオに暮らす人たちの生活状況の一端をうかがい知ることができる資料のひとつとして、マカオ政府統計・センサス局による5年に一度の世帯収支調査が挙げられる。最新の2023/24年調査結果では、社会における所得分配の不平等さを測る指標(0に近いほど平等)とされるジニ指数が0.324となり、コロナ前の前回調査(2017/18年)から0.009上昇した。アフターコロナで社会・経済の正常化が進む中だが、ジニ指数の変化から貧富の格差が拡大する状況も見てとれる。

マカオの街並み(資料)=マカオ半島・東望洋新街にて本紙撮影

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