マカオ、虹彩認証を用いたセルフ通関レーン運用開始初年の利用者数は累計544万人超に

 マカオでは、昨年(2023年)6月から半年にわたる虹彩認証を用いたセルフ通関レーンの実証実験を経て、同年10月21日から正式に運用がスタート。このほど、運用開始から丸一年が経過したことを受け、出入境を管轄するマカオ治安警察局が初年運用状況に関するレビューを公表した。

 虹彩認証対応のセルフ通関レーンの利用対象はマカオ居民(マカオ居民IDカード保有者)に限られ、事前に同イミグレーション施設内にある専用端末または窓口で登録を済ませる必要があるが、すでに利用登録者数は約25万人(7歳以上のマカオ居民の35.2%に相当)に上り、延べ544万人超が利用し、需要は増加傾向を維持しているとのこと。

マカオ・關閘イミグレーション施設で運用中の虹彩認証を用いたセルフ通関レーン(写真:マカオ治安警察局)

 また、運用開始当初に關閘(ボーダーゲート)の出境・入境に各5レーンずつのみだった設置場所については、今年に入ってから他のイミグレーション施設にも順次増設が進み、現在は港珠澳大橋マカオ側、マカオ国際空港、タイパフェリーターミナル、外港フェリーターミナル、内港フェリーターミナルが加わり、合計81レーン体制に。ゲートの増設とともに、ハードウエアのアップデートも進めており、第二世代機が前月下旬から稼働したという。

 マカオ政府は近年マカオ居民IDカードのスマートフォンアプリ対応(電子身分証)など通関利便性向上策を相次いで打ち出しており、アプリで生成される通関用二次元バーコードと虹彩認証を併用することで完全非接触型のセルフ通関(いわゆる「顔パス」)が実現。二次元バーコードについては、今年7月から香港のイミグレーション施設でも利用できるようになった。今後も虹彩認証セルフ通関ゲートの活用を含む各種通関効率と安全性の向上に継続して取り組んでいくとした。

マカオ国際空港で運用中の虹彩認証を用いたセルフ通関レーン(写真:マカオ治安警察局)

関連記事

最近の記事

  1.  マカオ政府衛生局(SSM)は10月29日夜、マカオ域内で今年(2024年)21例目(月内16例目…
  2.  マカオ政府統計・センサス局は10月29日、今年(2024年)9月及び1〜9月の対外商品貿易統計を…
  3.  マカオ司法警察局は10月28日、前日(27日)午後にコタイ地区にある統合型リゾート(IR)併設ホ…
  4.  マカオ治安警察局は10月28日、マカオ半島北区にある土地廟から直近3ヶ月内に20回以上にわたって…
  5.  マカオの統合型リゾート(IR)運営企業MGMチャイナホールディングス(以下、MGM)は10月25…

ピックアップ記事

  1.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  2.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営するマカオ…
  3.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  4.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  5.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…

注目記事

  1.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  2.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  3.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  4.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  5.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年11月号
(vol.137)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun