マカオIR運営MGMチャイナが2024年1〜9月業績発表…主要指標コロナ前上回る

 マカオ政府とカジノ経営コンセッションを結ぶ6陣営の一角で、マカオ半島でMGMマカオ、コタイ地区でMGMコタイの両IR(統合型リゾート)施設を運営するMGMチャイナ社は10月31日、今年第3四半期(2024年7〜9月)及び1〜9月の監査前業績を発表。

 同社発出資料によれば、グループの今年1〜9月の純収入は前年同時期から38%増の234億香港ドル(日本円換算:約4585億円)で、コロナ前2019年同時期の137%。調整後EBITDAは前年同時期から37%増、2019年同時期の150%にあたる69億香港ドル(約1352億円)、調整後EBITDAマージンはマス事業への集中と営業効率アップの継続により前年同時期(27.1%)を上回る29.5%。

 今年1〜9月のマカオの総合カジノ売上(カジノ粗収益/GGR)に占める同社グループの市場シェアは15.9%で、2019年同時期(9.5%)から大幅拡大。内訳はMGMマカオが6.5%、MGMコタイが9.4%。単日平均及びマスのGGR(スロットマシン含む)は前年同時期からそれぞれ40%、46%増、2019年のそれぞれ129%、180%に。

 また、今年1〜9月の同社グループホテルの単日平均訪問客数は前年から65%増、また2019年の157%だったとのこと。

 今年第3四半期については、収益が前年同時期から14%増の72億香港ドル(約1411億円)、調整後EBITDAは5%増の19億香港ドル(約372億円)。

 財務状況についても、今年第3四半期末時点の総流動資金は172億香港ドル(約3370億円)と安定を維持しているとした。

大型カジノIR「MGMコタイ」(資料)=マカオ・コタイ地区にて本紙撮影

 マカオでは、昨年1月から新コンセッション(10年間)がスタート。 MGMは入札評価点が6陣営の中でトップだった。改正カジノ法の施行後、 マカオのゲーミングテーブル台数にキャップ制が導入され、新コンセッションスタートに合わせて当局が各事業者への再配分を行った。 MGMチャイナはゲーミングテーブル配分において6陣営で唯一、従前から割り当て数が増加した事業者。同社の割当テーブル数は従前の552台から36%増の750台となり、業績回復を後押ししているとみられる。

 MGMチャイナ社長兼エグゼクティブダイレクターのケネス・フェン氏は今回の業績発表において「コンセッション契約を着実に履行し、マカオをダイバーシティ化された国際的観光デスティネーションへと発展させていく」とした上、「MGMマカオのヴィラのリノベーションやMGMコタイの客室の一部をスイートに改装するなどグループの様々な施設で多くの強化プロジェクトに投資をしてきたほか、年末までにレジデントショー『マカオ2049』の上演を開始する予定もあり、よりユニークで複合的な旅行体験をゲストに提供するというコミットメントを履行していきたい」とコメントした。

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