マカオ、2024年10月のカジノ売上は6.6%増の約3964億円…1〜10月累計では28.1%増の約3.6兆円、前年通期上回る

 マカオ政府博彩監察協調局(DICJ)は11月1日、今年(2024年)10月の月次カジノ売上(粗収益、Gross Gaming Revenue=GGR)統計を公表。

 今年10月のカジノ売上は前年同月から6.6%増の207.87億パタカ(日本円換算:約3964億円)で、対前月でも20.5%増。コロナ前の2019年同月から回復率は78.6%。200億パタカを上回るのは今年5月以来のことで、単月の売上額として2020年1月以降の最多となった。マカオのツーリズム業界において例年10月は国慶節大型連休の存在から繁忙期のひとつとされている。

 10月の営業日は31日で、前月との比較で1日多い。今年10月の1営業日あたりの平均売上は前月を0.96億パタカ(約18.3億円)上回る6.71億パタカ(約128.0億円)だった。

 今年1〜10月累計のカジノ売上は前年同時期から28.1%増の1901.42億パタカ(約3兆6256億円)。変動率は前月時点から3.2ポイント縮小。2019年同時期からの回復率は77.1%。10月終了時点で前年通期を上回った。

 マカオは昨年1月初頭にウィズコロナへ転換。アフターコロナ初年となった昨年のカジノ売上は3月から本格的な回復が進み、夏場以降に加速、年末まで勢いを維持し、昨年通期のカジノ売上は前年から333.8%増、2019年の62.6%に相当する1830.59億パタカ(約3兆4906億円)に。政府は市場の回復が進む状況を受け、2024年の財政予算でカジノ売上目標を前年の1300億パタカ(約2兆4788億円)から2160億パタカ(約4兆1187億円)、月額にして180億パタカ(約3432億円)へ引き上げ、財政収支の均衡を実現するとしており、今年ここまで単月で目標を下回ったのはいずれも閑散期にあたる6月と9月の2ヶ月のみで、累計では目標を上回るペースで進捗している。

カジノのイメージ(資料)=本紙撮影

【資料1】2024年マカオの月次カジノ売上の推移(カッコ内は前年比)
・1月:193.37億パタカ=約3687億円(67.0%減)
・2月:184.86億パタカ=約3525億円(79.1%増)
・3月:195.03億パタカ=約3719億円(53.1%増)
・4月:185.45億パタカ=約3536億円(26.0%増)
・5月:201.88億パタカ=約3849億円(29.7%増)
・6月:176.94億パタカ=約3374億円(16.4%増)
・7月:185.95億パタカ=約3544億円(11.6%増)
・8月:197.54億パタカ=約3765億円(14.8%増)
・9月:172.53億パタカ=約3288億円(15.5%増)
・10月:207.87億パタカ=約3964億円(6.6%増)
>1〜10月累計:1901.42億パタカ=約3兆6256億円(28.1%増)

【資料2】2013年〜2023年マカオの年間カジノ売上の推移(カッコ内は前年比)
・2013年:3607.49億パタカ=約6兆8758億円(18.6%増)*ピーク時
・2014年:3515.21億パタカ=約6兆6999億円(2.6%減)
・2015年:2308.40億パタカ=約4兆3997億円(34.3%減)
・2016年:2232.10億パタカ=約4兆2543億円(3.3%減)
・2017年:2657.43億パタカ=約5兆0650億円(19.1%増)
・2018年:3028.46億パタカ=約5兆7722億円(14.0%増)
・2019年:2924.55億パタカ=約5兆5741億円(3.4%減)
・2020年:604.41億パタカ=約1兆1520億円(79.3%減)
・2021年:868.63億パタカ=約1兆6556億円(43.7%増)
・2022年:421.98億パタカ=約8043億円(51.4%減)
・2023年:1830.59億パタカ=約3兆4906億円(333.8%増)

関連記事

最近の記事

  1.  このほどマカオ政府財政局(DSF)が公表した最新統計によれば、今年(2024年)10月前半の住宅…
  2.  マカオ政府衛生局(SSM)は11月4日夜、マカオ域内で今年(2024年)3例目となる当地デング熱…
  3.  マカオ・新口岸エリアにあるリゾート施設マカオフィッシャーマンズワーフの特設会場で去る11月2日と…
  4.  このほどマカオ国際空港運営会社にあたる澳門國際機場專營股份有限公司(CAM)が公表した資料によれ…
  5.  マカオ政府金融管理局は11月1日、今年(2024年)9月の貨幣・金融統計を公表。内容のサマリーは…

ピックアップ記事

  1.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  3.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  4.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  5.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営するマカオ…

注目記事

  1.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  2.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  3.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  4.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  5.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年11月号
(vol.137)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun