マカオの2024年9月貨幣・金融統計公表…銀行の不良債権比率が5.2%まで上昇

 マカオ政府金融管理局は11月1日、今年(2024年)9月の貨幣・金融統計を公表。内容のサマリーは下記の通り。

【マネーサプライ】
 流通貨幣が前月から0.9%増、通知預金が2.8%増となり、M1は2.3%上昇。また、準通貨負債は0.4%増。M1及び準貨幣負債を含む広義貨幣供給量M2は0.6%上昇し、金額は7763億マカオパタカ(日本円換算:約14兆8111億円)に。前年同月との比較では、M1が0.2%増、M2が6.7%増。M2に占める通貨別の比率はマカオパタカが33.1%、香港ドルが45.1%、人民元が7.0%、米ドルが13.4%。

【預金】
 マカオ居民(マカオ居留権保有者)による預金残高は前月から0.7%上昇の7556億マカオパタカ(約14兆4161億円)、非居民による預金残高は0.6%下落の3129億マカオパタカ(約5兆9698億円)、公共部門の銀行システムへの預金残高は1.1%増の2003億マカオパタカ(約3兆8215億円)となり、これらを総合して計算した銀行システムの預金残高は0.4%上昇の1兆2688億マカオパタカ(約24兆2075億円)で3ヶ月ぶり上昇。このうち、マカオパタカ、香港ドル、人民元、米ドルの占める割合はそれぞれ20.3%、44.6%、9.6%、23.8%。

【融資】
 地元民間部門への融資は前月から1.1%減の5191億マカオパタカ(約9兆9039億円)。対外民間部門への融資は1.4%下落の5274億マカオパタカ(約10兆0623億円)。民間部門へ融資額は合計で1.2%減の1兆0465億マカオパタカ(約19兆9662億円)となり、マカオパタカ、香港ドル、人民元、米ドルの比率はそれぞれ21.5%、43.2%、14.0%、17.3%。

【預貸率/不良債権比率】
 銀行のマカオ居民に対する預貸率は今年9月末時点で前月末から1.0ポイント下落の54.3%。非マカオ居民含む総体預貸率は1.4ポイント下落の82.5%。1ヶ月及び3ヶ月ベース計算による流動資産対負債比率はそれぞれ62.2%、56.4%水準。このほか、不良債権比率は0.1ポイント上昇の5.2%に。このところ不良債権比率は上昇が続いている。

マカオ金融管理局ビル(資料)=2020年7月本紙撮影

関連記事

最近の記事

  1.  このほどマカオ政府財政局(DSF)が公表した最新統計によれば、今年(2024年)10月前半の住宅…
  2.  マカオ政府衛生局(SSM)は11月4日夜、マカオ域内で今年(2024年)3例目となる当地デング熱…
  3.  マカオ・新口岸エリアにあるリゾート施設マカオフィッシャーマンズワーフの特設会場で去る11月2日と…
  4.  このほどマカオ国際空港運営会社にあたる澳門國際機場專營股份有限公司(CAM)が公表した資料によれ…
  5.  マカオ政府金融管理局は11月1日、今年(2024年)9月の貨幣・金融統計を公表。内容のサマリーは…

ピックアップ記事

  1.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  2.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営するマカオ…
  3.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  4.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  5.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…

注目記事

  1.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  2.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  3.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  4.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  5.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年11月号
(vol.137)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun