マカオで今年3例目の当地デング熱感染確認…患者は毎日カモンエス公園訪問

 マカオ政府衛生局(SSM)は11月4日夜、マカオ域内で今年(2024年)3例目となる当地デング熱感染例を確認したと発表。マカオでデング熱感染例が出現するのは輸入性感染例を含めて13日連続となる。

 同局によれば、患者はマカオ半島の沙欄仔街花王堂巷(世界遺産・聖アントニオ教会近く)にあるマンションに暮らすマカオ居民の女性(59)で、11月3日に発熱、筋肉・関節痛、全身の倦怠感といった症状が現れ、私立のクリニックを受診したが、4日に朝になっても症状が改善しないため、私立総合病院にあたる鏡湖醫院を受診。同院で受検した血液サンプル検査結果が同日判明し、デング熱Ⅰ型に感染していることが確認されたという。

 目下、患者の容体は安定しているとのこと。患者は同局の疫学調査に対し、毎日自宅近くのカモンエス公園を訪れていたとのこと。また、同住の家族のうち1人に同様の症状が出現していると説明したため、同局が血液サンプル検査の手配を進めているとした。同局では、患者の渡航歴、発症時間、検査結果を踏まえ、当地感染例であると判断。速やかに患者のマカオの自宅及び主な活動場所周辺に職員を派遣して予防措置としての蚊の駆除を実施する方針。

 なお、患者の暮らすマンションでは、11月2日に今年24例目の輸入性デング熱感染例が見つかっており、今回の患者と同じⅠ型だった。同局では、付近一帯におけるデング熱感染リスクは高く、居住または往来のある人に対し、感染予防を徹底するよう呼びかけている。

マカオ政府衛生局の職員によるデング熱の予防に関する啓蒙活動の様子(写真:SSM)

 昨年のマカオにおけるデング熱感染確認は7例で、すべて輸入性だったが、今年は輸入性が2月(1件)、5月(1件)、6月(2件)、7月(1件)、10月(18例)、11月(2例)の計25例に達しているほか、当地感染確認も今回のケースを含めて3例(10月1例と11月2例)あった。

 今年の輸入性感染確認は10月以降に急増しており、輸入性と当地合わせて21例に。輸入性のうち大半にマカオと相互往来が頻繁な広東省の中山市あるいは仏山市滞在歴があったことがわかっている。同局では、マカオは依然としてデング熱の伝播シーズンにあり、さらに広東省で比較的多くの当地感染例が出現していることを踏まえ、状況を軽視せず、予防策の強化に努めてほしいと累次の呼びかけを行っている。

 このほど広東省疾病管理予防センターが公表した最新データを参照すると、10月21日から27日までの7日間、同省内におけるデング熱の新規感染確認は1785例に上っており、エリア別では仏山市と広州市がそれぞれ約400例、中山市が91例、珠海市が71例などで、大半が当地感染例。

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