マカオ、2024年9月の新規住宅ローン承認額は前月から大幅増…延滞率は下落に転じる

 マカオ金融管理局が11月11日に公表した今年(2024年)9月の住宅及び商業物件向けローン関連統計によれば、対前月の新規ローン承認額は住宅不動産向けが2ヶ月ぶり増、商業不動産向けが4ヶ月ぶり増だったとのこと。

 今年9月の新規住宅ローン貸付承認総額は前月から142.1%増の30.5億パタカ(日本円換算:約582億円)。このうち、マカオ居民(=マカオ居民IDカード保有者)向けが前月から142.1%増の30.0億パタカ(約573億円)で、全体の98.4%を占めた。非居民向けについても145.1%増の4800万パタカ(約9.2億円)に。直近3ヶ月でみると、今年7〜9月の新規住宅ローン貸付承認額の月次平均値は18.6億パタカ(約355億円)で、今年6〜8月との比較で49.6%増。

 新規商業物件向けローン貸付承認額は8.4%増の10.3億パタカ(約197億円)。このうち、マカオ居民向けが前月から0.5%増の9.5億パタカ(約181億円)で、全体の91.4%を占めた。非居民向けについても8900万パタカ(約17.0億円)まで増。直近3ヶ月でみると、今年7〜9月の月次平均値は13.0億パタカ(約248億円)で、今年6〜8月との比較で22.9%減。

 今年9月末時点の住宅ローン融資残高は前月から1.3%減、前年同月から5.0%減となる2201.7億パタカ(約4兆2023億円)。マカオ居民が占める割合は96.6%。マカオ居民向けの住宅ローン融資残高は前月から0.4%減、非居民向けについては21.9%減。

 商業物件向けローン融資残高は前月から0.1%増、前年同月から4.7%減となる1530.7億パタカ(約2兆9216億円)。マカオ居民が占める割合は92.0%。商業物件ローン融資残高は前月からマカオ居民向けが1.4%減、非居民向けが21.2%増。

 今年9月末締めの住宅ローン延滞率は3.4%で、前月から0.9ポイント下落、前年同月から2.6ポイント上昇。商業物件向けローン延滞率は5.2%で、前月から1.4ポイント上昇、前年同月から3.2ポイント上昇。住宅ローン延滞率は今年に入って以降、上昇が続いていたが、ようやく下落に転じた。

 マカオでは昨年1月初旬のウィズコロナ転換を機にインバウンド市場の回復が進み、経済波及効果が期待されている。一方で、不動産市場については高金利が続く状況と経済の先行き不透明感といった懸念材料も存在。しばらくの間、取引件数、平均平米単価とも振るわない状況が続いていた。今年の年初からは不動産価格抑制策の一部緩和もスタートしたが、目立ったかたちでのポジティブな影響は見受けられず、4月20日から不動産価格加熱抑制策が全面撤廃すされるに至り、以降の動向が注目されたが、すでに短期的な効果を消化したとの見方もある。

マカオの新興住宅街にあたるタイパ新城区の町並み(資料)=2023年10月本紙撮影

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