第71回マカオグランプリが閉幕…雨に翻弄、初開催のFRワールドカップは米国のウゴチュクウ選手が優勝

 マカオで年に一度開催されるモータースポーツの祭典「マカオグランプリ」。1954年にスタートした歴史ある大会で、市街地の公道を転用した全長約6.2kmの「ギアサーキット」が舞台となる。

 4日間にわたって熱戦が繰り広げられた今年(2024年)の「第71回マカオグランプリ」がきょう(11月17日)夕方に閉幕した。今大会は初日にこの時期としては珍しい台風(23号/国際名:トラジー)の影響を受けたほか、以降も最終日まで連日の雨に見舞われるなど天候に翻弄され、一部レースにキャンセルやスケジュール変更が生じた。

 今大会では、「マカオグランプリ – FIA FRワールドカップ」、「マカオGTカップ – FIA GTワールドカップ」、「マカオギアレース – クムホFIA TCRワールドツアーイベントオブマカオ」、「マカオモーターサイクルグランプリ – 第56回大会」、「グレーターベイエリアGTカップ(GT4)」、「マカオロードスポートチャレンジ」、「マカオロードスポート – マカオ特別行政区成立25周年記念カップ」の計7レースが行われ、アフターコロナでマカオと外地との往来が進んだことを受け、日本を含む世界35の国と地域から約180選手が参加し、屈指の難コースとして知られるギアサーキットを駆け抜けた。

「マカオグランプリ – FIA FRワールドカップ」決勝レース。4番が優勝したウーゴ・ウゴチュクウ選手のマシン=2024年11月17日、マカオ・ギアサーキット(写真:Macau Grand Prix Organizing Committee)

 大会最終日となる17日、「マカオロードスポート – マカオ特別行政区成立25周年記念カップ」、「マカオGTカップ – FIA GTワールドカップ」、「マカオギアレース – クムホFIA TCRワールドツアーイベントオブマカオ」、「グレーターベイエリアGTカップ(GT4)」、「マカオグランプリ – FIA FRワールドカップ」の決勝5レースが行われた。ただし、午前中に予定されていた「マカオモーターサイクルグランプリ – 第56回大会」決勝は降雨によりキャンセルに。

 今大会の最終レースとなった午後3時30分スタートの「マカオグランプリ – FIA FRワールドカップ」決勝(15周)は雨も上がりドライコンディションとなった中で開催され、ポールポジション発進だった米国のウーゴ・ウゴチュクウ選手(所属チーム:R-ace GP)が終始トップをキープして優勝を飾った。同レースは第1周回に直角コーナー「リスボアベント」で多重クラッシュが発生する波乱の幕開けに。赤旗での一時中断を経て再開後もクラッシュやマシントラブルと見られる立ち往生などセーフティカーが三度出動する事態となり、黄旗下でチェッカーを迎えた。ウゴチュクウ選手はレース終了後の会見で、非常にタフなレースで、途中何度もセーフティーカーが出て後続と差が詰まるかたちとなったが、再開の度にしっかり良いスタートを切り、集中して引き離すことができ、成績には満足しているとコメント。ファステストラップは2位でドイツのオリバー・ゲーテ選手が10周目に記録した2分19秒599。

「マカオグランプリ – FIA FRワールドカップ」決勝レースでチャンピオンに輝いたウーゴ・ウゴチュクウ選手=2024年11月17日、マカオ・ギアサーキット(写真:GCS)

 同レースは、かつてアイルトン・セナ、ミハエル・シューマッハが優勝を飾ってF1へステップアップするなど若手ドライバーのF1への登竜門として知られたF3マカオグランプリに代わって今大会で初採用されたもので、フォーミュラリージョナル(FR)車両を使用している。参考までに、前年のF3のファステストラップは2分06秒647。

 なお、今大会では日本選手4人が「マカオグランプリ – FIA FRワールドカップ」に出場。決勝レースの最高位は小林利徠斗選手(TOM’S Formula)の15位で、中村仁選手(TOM’S Formula)は12周目、小川颯太選手(TGM Grand Prix)は10周目、佐藤凛太郎選手(TGM Grand Prix)は1周目でリタイアという結果だった。

雨が上がった中で行われた「マカオグランプリ – FIA FRワールドカップ」決勝レースには多くの観衆が詰めかけた=2024年11月17日、マカオ・ギアサーキット(写真:GCS)

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