マカオ、2024年1〜9月の犯罪件数が前年同期比12.6%増に…詐欺事案増が主要因

 マカオ政府保安司司長弁公室は11月28日に会見を開き、今年(2024年)1〜9月の犯罪統計及び法執行状況に関する総括レビューを発表した。

 今年1〜9月のマカオにおける総犯罪件数(犯罪捜査着手数)は1万0831件で、前年同時期から12.2%増だった。コロナ前2019年同時期との比較でも2.2%増に。

 マカオ政府保安司の黄少澤司長は、総件数増加の主要因として詐欺事案の増を挙げた。一方、重大暴力犯罪、薬物犯罪、カジノ関連犯罪、窃盗、強盗等の民生に影響を及ぼすカテゴリーについてはコロナ前と比較して顕著な減となっており、マカオの社会治安は依然として安定した良好な状態を保持しているとの見方を示した。

 また、同氏はマカオのゲーミング(カジノ)産業が治安情勢に与える影響の評価について、今年1〜9月のゲーミング犯罪件数は1021件で、前年同時期から42.4%増、2019年同時期から36.1%減だったとした上、今年1〜9月のインバウンド旅客数が前年比で増加し、ゲーミング業及びマカオ経済全体の回復を促す反面、社会治安により多くの不確定要素をもたらすこともまた不可避であり、ゲーミング関連犯罪の増に繋がったものとした。2019年比で減少したことについては、警察当局によるカジノ施設内外でのパトロールを強化して臨んでいること、大規模取り締まり作戦の継続実施による抑止効果などを挙げた。

 このほか、今後の見通しとして、クリスマスホリデーが近づき、インバウンド旅客数の増加が見込まれる中、社会治安情勢の変化を注視するとともに、犯罪データ・特徴の分析を進め、適宜対策を調整して犯罪抑止と取り締まりに臨むとした。

2024年1〜9月のマカオ犯罪統計及び法執行状況に関する総括レビュー会見の様子。中央が黄少澤マカオ保安司司長=2024年11月28日(写真:GCS)

関連記事

最近の記事

  1.  ポルトガルと中国の文化が融合し、東西文化の交差点と称されるマカオ。クリスマスシーズンは春節(旧正…
  2.  マカオ・コタイ地区にある統合型リゾート(IR)「ギャラクシーマカオ」で11月28日、冬のフェステ…
  3.  マカオ政府保安司司長弁公室は11月28日に会見を開き、今年(2024年)1〜9月の犯罪統計及び法…
  4.  マカオでは、12月20日がポルトガルから中国への返還記念日(マカオ特別行政区成立記念日)で、今年…
  5.  マカオ司法警察局は11月27日、危機交渉チームと捜査部門の間のコミュニケーション、連携、応急対処…

ピックアップ記事

  1.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  2.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  3.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営するマカオ…
  4.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  5.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…

注目記事

  1.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  2.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  3.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  4.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  5.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年12月号
(vol.138)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun