マカオ税関が運び屋向け密輸品供給拠点摘発…大量の日本産食品発見

 目下、マカオ警察総局による指揮の下、各保安部門が地域社会の良好な治安環境の維持と保護を目的とした大規模取り締まり作戦「落雷2024」を展開している。

 澳門海關(マカオ税関)は11月28日、前日(27日)午後、マカオ半島北部・關閘エリアに所在する商業ビル内で違法な運搬活動(いわゆる運び屋行為)に従事した1つの店舗に対する摘発を実施したと発表。

 現場周辺は中国本土との主要な陸路の玄関口・關閘イミグレーション(通称:ボーダーゲート)に近く、以前から両地の間を往来する運び屋相手のビジネスを行う店舗や倉庫などが存在すると指摘され、当局が高頻度でパトロールや摘発を行っている場所のひとつ。

 税関によれば、パトロール中に疑わしい点があったことから同店に対する監視を進める中、店舗から品物を持って關閘イミグレーションに向かった運び屋とみられる男を追跡し、税関検査場で手荷物検査を行ったところ、銀杏7パックを発見。男は税関の調べに対し、報酬を得て当該店舗で商品をピックアップし、これを持って出境するつもりだったと説明したという。

 これを受け、店舗の摘発に着手。摘発時、店には責任者の女が1人おり、店内から日本産の野菜・フルーツ800パックと銀杏500パック、市価およそ9万パタカ(日本円換算:約168万円)相当が発見されたが、責任者の女は輸出に必要な書類や検疫証明書を提示できず、また輸入禁止対象地域の産品が含まれていることも発覚したという。

 上述の店舗の責任者の女(38)と運び屋従事の男(70)はいずれもマカオ人。税関では、店舗の責任者の女が運び屋を組織してマカオから中国本土への密輸出することにより正当な貿易活動の規制逃れを企図したとし、運び屋従事の男と合わせて対外貿易法違反で起訴したほか、営業許可証なし運営も明らかとなり、財務局が調査を進めるとした。

 税関では、本件の発表に合わせ、市民に対して報酬を目当てに運び屋行為へ従事しないよう累次の呼びかけを行うとともに、今後も全力を挙げて水際における各種取り締まりを継続する考えをあらためて示した。

密輸品供給拠点に対する摘発の様子=2024年11月27日(写真:澳門海關)

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