マカオと香港の間でクロスボーダー救急車が運用開始

 マカオと香港の間は2018年に開通した港珠澳大橋を経由して陸路での相互往来が可能となった。

 近年、さまざまな政策により中国本土、香港、マカオの三地の間でそれぞれの居民による往来が活発化する中、クロスボーダー救急車サービスの需要が増しているとし、三地の当局が実現に向けた準備を進めてきた。

 マカオ警察総局(SPU)は11月29日、「香港・マカオクロスボーダー救急車」のテスト運用を同月30日から開始すると発表。期間は1年間で、香港・マカオ双方でテスト運用の結果や運用経験のレビューを行い、次のステージに向けた検討を行うことになっているという。

 同局では、今回のテスト運用開始により、クロスボーダー救急車メカニズムの下、特定のニーズ及び臨床条件に適合する患者をマカオと香港の指定医療機関間をイミグレーション施設で載せ替えを行うことなくダイレクトに搬送できるようになり、搬送過程における患者のリスク軽減につながるとした。

 なお、クロスボーダー救急車の出動させるための条件として、送り出し側と受け入れ側の病院間で事前合意が成立していることが第一要件となり、(マカオ→香港の場合)マカオの送り出し側の医療機関の医師が臨床診断と患者の状況からボーダーを越えての搬送の必要性を判断した後、香港医管局の重大事故コントロールセンター連絡し、同センターが受け入れ側の医療機関と連携してレビュー、情報交換、調整を行い、出動の是非が決定されるとのこと。

2024年10月8日に行われた訓練でマカオから港珠澳大橋を経由して香港へ向かうマカオ消防局所属の救急車(写真:SPU)

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