マカオLRT東線の駅と關閘イミグレビルの直結実現か
- 2024/12/9 11:49
- 産業・経済
目下、マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」の新線「東線(East Line)」の建設工事が進められている。
東線は昨年(2023年)8月に着工し、マカオ半島北端にある主要な陸路のイミグレーション施設「關閘」付近からマカオ半島の北東沿岸、マカオ半島東側の沖合に造成中の埋立地「新城A区」を経由して海を越え、タイパ島北東部沖に造成中の埋立地「新城E区」を全線地下で結ぶ約7.7キロ、設置駅数は6駅の路線。タイパ島側の終点駅の先に線路を伸ばし、タイパフェリーターミナル駅でタイパ線と接続する計画で、2028年完成予定となっている。
マカオ政府公共建設局(DSOP)は12月6日、マカオLRT東線の建設工事に関するアップデートを発表。關閘イミグレーション最寄りの仮称「ES1駅」について、駅とイミグレーション施設の直結実現による利便性向上のため、設計変更を進めていることを明らかにした。
關閘エリア周辺はマカオと中国本土(広東省珠海市)とのボーダーが入り組んでいるが、今年5月、ES1駅の西側に存在するV字型の珠海市区域がマカオLRT東線の用地としてレンタル方式でマカオに管轄権を与える決定がなされた経緯がある。これによって、ES1駅の位置を当初計画より關閘イミグレーション側に近づけることが可能となり、また關閘と並ぶ主要な陸路のイミグレーション施設「青茂口岸」のある青洲エリアへの延伸(西伸)が現実的となった。
同局が公開したES1駅の新旧設計プランの比較によれば、新プランは位置がやや西へ移動し、駅と關閘イミグレーションビルの出発・到着の両フロアとの連絡通路の設置を想定したものになっており、西伸を想定したものとみられる方向の調整も見受けられた。同局によれば、駅とイミグレーションビルを接続するオプションについては現在検討中の段階であり、追って発表を行うとのこと。
今後、西へ移動したES1駅の工事を進めるにあたり、關閘イミグレーション前にある路線バス及び統合型リゾート(IR)等の送迎シャトルバス乗降場を特警隊本部の跡地へ移すなどの関連工事も展開するとという。
なお、東線の建設工事の進捗率は28%に達しているほか、走行システムについても詳細設計が基本的に完了しており、進捗・予算とも事前想定通りとした。