マカオ、2024年10月の新規住宅ローン承認額は前月から大幅減

 マカオ金融管理局が12月12日に公表した今年(2024年)10月の住宅及び商業物件向けローン関連統計によれば、対前月の新規ローン承認額は住宅不動産向け、商業不動産向けとも2ヶ月ぶりに減少したとのこと。

 今年10月の新規住宅ローン貸付承認総額は前月から57.4%減の13.0億パタカ(日本円換算:約247億円)。このうち、マカオ居民(=マカオ居民IDカード保有者)向けが前月から58.5%減の12.4億パタカ(約236億円)で、全体の95.9%を占めた。非居民向けについては8.7%増の5300万パタカ(約10.1億円)に。直近3ヶ月でみると、今年8〜10月の新規住宅ローン貸付承認額の月次平均値は18.7億パタカ(約356億円)で、今年7〜9月との比較で0.6%増。

 新規商業物件向けローン貸付承認額は37.9%減の6.4億パタカ(約122億円)。このうち、マカオ居民向けが前月から33.4%減の6.3億パタカ(約120億円)で、全体の98.0%を占めた。非居民向けについても85.5%減の1300万パタカ(約2.5億円)。直近3ヶ月でみると、今年8〜10月の月次平均値は8.8億パタカ(約167億円)で、今年7〜9月との比較で32.7%減。

 今年10月末時点の住宅ローン融資残高は前月から0.3%減、前年同月から5.0%減となる2195.2億パタカ(約4兆1766億円)。マカオ居民が占める割合は96.6%。マカオ居民向けの住宅ローン融資残高は前月から0.2%減、非居民向けについては2.2%減。

 商業物件向けローン融資残高は期内に複数の大口融資が完済されたことを受けて前月から0.6%減、前年同月から5.1%減となる1521.4億パタカ(約2兆8946億円)。マカオ居民が占める割合は92.0%。商業物件ローン融資残高は前月からマカオ居民向けが0.7%減、非居民向けが0.2%減。

 今年10月末締めの住宅ローン延滞率は3.4%で、前月から横ばい、前年同月から2.6ポイント上昇。商業物件向けローン延滞率は5.1%で、前月から0.2ポイント下落、前年同月から2.7ポイント上昇。住宅ローン延滞率は今年に入って以降、上昇が続いていたが、前月から下落傾向に転じている。

 マカオでは昨年1月初旬のウィズコロナ転換を機にインバウンド市場の回復が進み、経済波及効果が期待されている。一方で、不動産市場については高金利が続く状況と経済の先行き不透明感といった懸念材料も存在。しばらくの間、取引件数、平均平米単価とも振るわない状況が続いていた。今年の年初からは不動産価格抑制策の一部緩和もスタートしたが、目立ったかたちでのポジティブな影響は見受けられず、4月20日から不動産価格加熱抑制策が全面撤廃すされるに至り、以降の動向が注目されたが、すでに短期的な効果を消化したとの見方もある。

マカオの新興住宅街にあたるタイパ新城区の町並み(資料)=2023年10月本紙撮影

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